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犬の腸に良い食べ物, 腸内環境改善の食事とは?

最終更新日:
公開日:2021/05/06

昨今では犬にも腸活という概念が広がってきました。大手メーカーを中心に犬の腸活関連の商品が目立つ今日この頃ですね。

そんな中、犬の腸にとって良い食べ物とは何なのか? 食事による腸内環境改善は可能なのかについて、今わかっている範囲内で書いていきます。

犬の腸内細菌についてはほとんど研究が進んでいない

ビーグル犬のクララ
ビーグル犬のクララ

犬の腸にとって良いという考えの根拠

いきなり核心に迫りますが、実は犬の腸内細菌についてはほとんど研究が進んでおらず、論文の数も決して多くありません。世にある腸活アイテムは、(人間の場合もそうですが)多くは販促のためのキャッチコピーだという実情を知っておく事をお勧めします。

もちろん、中には有益な商品も存在しており、実際に改善の事例も多くあるようです。

では、研究が進んでいないにも関わらず、何を根拠に腸に良いと言っているのでしょうか?

それは私たち人間の実例です。

犬と人間は細菌類を共有している

私たちは時間と場所を共有する事で、細菌類も共有しています。それは相手が人間であってもペットであっても同様です。細菌類の共有..一聞するとゾッとする表現ですが、これは極めて健全な事。私たちは細菌類を共有し、それらと共存する事で成り立っており、外部の新たな細菌の侵攻からも守られて生きています。

人とペットが共有しやすいのは皮膚にいる常在菌などで、これらは好気性のもの(空気に触れても生きていける)。皮膚にいるという事は口にも入る事があるわけで、体内に入ることで既存の細菌叢に多少なりとも影響を与えている可能性もあります。(ペットを飼っている人の腸内細菌叢の多様性は、飼っていない人よりも高いという研究結果もあり)

また、唾液だったり呼気だったり、食べ物だったり、その他何らかの事情で腸内細菌も共有が進みます。これは、腸内の細菌が表に出てきて付着するという可能性もありますが(唾液や糞便)、同じものを食べる事で同じような腸内細菌が育ち、結果として同じような組成になるという側面も大いにあります。

以前も書きましたが、2020-2021年にかけて大学と共同で行った研究の過程で、沿岸部に在住の飼い主さんの愛犬から、海藻類の消化に有利な細菌が検出された事があります。その時の研究では他の犬からは検出されなかったため、おそらくは飼い主さんの衣食住と関連しているのだろうと思います。

他にも明らかに乳酸菌サプリを摂取したであろう個体(単一の乳酸菌がやたら多い)や、いいお肉を多く食べてきた個体(体脂肪と相関のある細菌保有が特徴的)など、飼い主さんの「方針」が見える事例が複数あり、時間と場所の共有 + 価値観(ライフスタイル)の共有によって、結果として腸内細菌も共有されると考えて良さそうです。

犬の腸にとって良い食べ物とは?

季節の野菜
季節の野菜

プレバイオティクス-定番は食物繊維

既に多く言われているように、プレバイオティクスは重要品目です。これは有益な腸内細菌(いわゆる善玉菌)のエサになるもので、食物繊維が筆頭に挙げられます。以下、犬の腸に良いプレバイオティクスを列記します。

玄米/ぬか

玄米は白米に比べてはるかに多くの食物繊維を含みます。これは外殻の「ぬか」そのものが食物繊維のかたまりだから。食物繊維というのは消化されにくいため、そのまま大腸に到達します。そこで有益な腸内細菌の餌になり、いわゆる善玉菌の勢力が大きくなります。

米の農薬は糠の部分に溜まるため、玄米も「ぬか」も無農薬のものを仕入れるのが良いのですが、玄米の無農薬は極めて少なく、価格も高めなのが難点ではあります。が、玄米食で腸内環境は劇的に改善するため、お米にアレルギーがある場合を除き、大いにチャレンジする価値があります。

猪肉ブロック ペット用
Forema ではペット用の米糠(こめぬか:玄米の外殻)を扱っています。これは分かる人には分かり、分からない人には意味不明の品。そんな中、玄米にも関連

野菜類(ニンジン/カボチャ/サツマイモ/ゴボウ etc..)

手作り食にチャレンジしている人は日常的に取り入れているかと思います。「犬が食べてはいけない野菜」を除き、人間同様に適度に野菜を入れてあげる事は腸内環境改善には必須と言えます。ただ、犬種によって、また既に保有する細菌の素性によって「最適な量」の個体差が大きいと思われるため、飼い主さんが見極めてあげる必要があります。

このあたりは、お医者さんのコメントはあくまで一般論として捉え、一番近くで見ている飼い主さんが最終的な判断をするべき領域のように思います。(子育てと同じですね)

オリゴ糖

名前だけはよく聞くオリゴ糖。「それっぽいキャッチコピー」の代名詞みたいなところもありますが、必要な量をしっかり摂取すれば非常に有益な成分です。

オリゴ糖というのは、例えば「てんさい」だったり「でん粉」などにふくまれる食物繊維を取り出したもので、原料によってフラクトオリゴ糖だったり、イソマルトオリゴ糖だったりと、何種類かが存在します。

どれも食物繊維であることに変わりなく、人間の胃や小腸では消化されずに大腸に届きます。いわば難消化性の食べカスなのですが、前述のようにこれが有益な腸内細菌類のエサとなります。

オリゴ糖の種類によって「喜ぶ細菌類」の種類に多少の差があるのですが、大枠として「オリゴ糖は善玉菌のエサ」という一般論は正解だと言えます。

大型犬 ニューファンドランド
ペット犬の長寿化に伴い、癌をはじめとする重篤な疾患が増えてきました。昨年実施した大学との共同研究の中で、副産物的に犬の癌と関連しそうな"気づき"があっ

海藻類

ワカメや昆布、ひじきなど。上述の食材と同じく食物繊維を多く含み、ビタミンやカルシウムも摂取できる優れもの。人間界における健康食で必ず登場するにはそれなりの理由があるわけですが、犬にとっても有益なもの。

ただし、私たち日本人は特に海藻類を消化しやすい腸内細菌を保有しているという点は留意が必要です。子供の頃から改装を食べなれている私たちが消化できても、普通の犬には準備が必要という事はたたあります。個体によっては海藻でお腹が緩くなったり嘔吐する事もあるため、時間をかけて慣らしてあげるのが良いですね。

乳酸菌素材

乳酸菌ではなく、乳酸菌素材です。一般的には乳酸菌の死骸などで、生きた細菌ではないので”プロ”バイオティクスではなく、”プレ”バイオティクスに該当します。

しばしば乳酸菌素材をして「乳酸菌配合」というキャッチコピーが使用されているのですが、あれはミスリードですね。

プロバイオティクス – 細菌そのもの

ヨーグルトと納豆
ヨーグルトと納豆

プロバイオティクスとは、細菌そのものが含まれた食材のこと。以下一般的なものを記載します。

納豆

言わずと知れた納豆。プロバイオティクスの観点では納豆菌ですね。納豆菌はファーミキューテス門というグループに属しており、自然界に存在しますが腸内にもある程度の影響を与えるとされています。

納豆の場合納豆菌ばかりがフォーカスされますが、大豆そのものも腸内環境改善に有益なもの。例えば美容と健康に貢献するとの報告があるエクオール産成菌は大豆のイソフラボン由来のもので、納豆を食べておけば精力を維持できます。

ヨーグルト

ヨーグルトの摂取は言わずと知れたビフィズス菌の摂取が目的。ビフィズス菌というのはビフィドバクテリウムというグループに属する細菌の総称で、いくつもの種類が存在します。メーカーによってヨーグルトラベルに書いてあるビフィズス菌名が違うのはそういう背景によるもの。

では、種類が違ったら何が違うのか??

良い細菌においては、大枠についてはおそらくは同じです。(..というかまだ未解明の領域が多く、まさにいま研究が進んでいるところでもあります)

グリーントライプ

グリーントライプは反芻動物の胃袋で、国内では鹿の胃袋を指すことが多いです。物議を醸すことの多い生食で使用することで、胃の中身に存在する細菌類を摂取することが可能です。

「胃袋」が目的だと第4の胃となるのですが、セルロースを分解する細菌類およびその代謝物(ビタミンB12を始めとする有益成分)が目的だと第1の胃となります。大変臭く、扱いとしても上級者向けの食材なので万人用途とは言えないものではあります。

鹿のグリーントライプ 胃の中身
一部のペットオーナーの間で注目されている特殊な食材、グリーントライプ。単にトライプと言われることもあります。 トライプは「胃袋」のことで、海外で

乳製品やその他発酵食品

ヤクルトなどの乳製品や発酵食品は、生きた細菌を摂取する有効な手段。とは言え、塩分だったり味付けのための成分だったりが犬には不適切な場合もあるため、ペット用のものがあればそれを購入する、もしくは自作するのが良いですね。

尚、「生きて腸まで届く」という言葉だけが独り歩きしている感がありますが、腸に届いた後にどうなるかが重要なため、そのメーカーがどういう趣旨でそううたっているのかはWebサイトなどでしっかり確認する事をおすすめします。

腸内細菌と言えばビフィズス菌や乳酸菌を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?この2つのグループはいわゆる善玉菌の代表的な存在で、耳にする機会も多い

腸内の組成が偏りすぎている事がある

抗生物質による影響

腸内細菌は誕生時に親から受け継ぎ、成長の過程で紆余曲折しながら成人までに固定されます。基本的には親兄弟らの影響を受けて育つため、同じような組成になると考えられていますが、そうならない場合があります。

抗生物質です。

抗生物質は、悪質な病原菌を制圧するために投与されるものですが、同時に体内の有益な細菌類にもダメージを残していきます。

幼少期、腸内細菌がまだ固定されずに紆余曲折しているタイミングで抗生物質の投与が入ってしまうと、本来の成長路線から逸脱してしまう懸念があります。事実、抗生物質投与の有無や投与量と、その後の自己免疫疾患の発症率に関連ありと報告する論文が多々出ています。

人間の場合は安易な抗生物質投与を避ける選択もありますが、果たしてペットの場合はどうなのでしょうか??

ペット用の抗生物質はネットで普通に買えますし、また繁殖現場や販売店で逸脱した投与があっても飼い主さんには知るところではありません。

小麦
2012年のカナダでの話。二十歳の女性がボーイフレンドとキスをした直後に死亡するという事故がありました。原因は、男性が数時間前に食べたピーナッツバター

いつ抗生物質が使用されたのか?

以前も書きましたが、ペットショップで購入した犬と、知人からもらった犬では、低年齢時のアレルギーの発症率に大きな差が出ました。

幼少期の自己免疫疾患(アレルギーを含む)の原因として、人間やマウスの研究では抗生物質の過剰投与が指摘されています。

断定は禁物ですが、こうした「何らかの事情」によって、大人になる頃には腸内細菌の組成が大いに偏っている個体が少なくないと考えられます。(事実食物アレルギーが大いに増えている)

腸内細菌はマウスや人での研究が進んでおり、多くの知見が蓄積されています。ペット犬は、人間と共同生活する事で多くの細菌を共有しているため、人間であてはまった事例が、おそらくは当てはまるだろうと考えられています。

一方で、ひとことで犬といってももはや同じ種とは思えないほど幅広いのがペット犬の世界。最適な色のバランスは最終的に飼い主さんが個体の様子を見ながら調整してあげる必要があります。

人も人間も、増え続けるアレルギー。原因はアレルゲンと呼ばれるタンパク質であるとされており、対策として低アレルゲンの食事に切り替える方法が一般化していま

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