冬虫夏草と腸内細菌/マイクロバイオームについて

最終更新日:
公開日:2020/03/10

これ調べた人、あまりいないのではないでしょうか?冬虫夏草とマイクロバイオーム(腸内細菌)。 以前、書くといっておきながらずっと放置していたので、ようやく書きます。

前回までの流れは下記から。

食べ物を変えるとマイクロバイオーム(主に腸内細菌叢/腸内フローラ)にどのような影響が出るのか?そしてそれはだいたいどのくらいの期間で変化していくものな

冬虫夏草を摂取して腸内細菌を調べてみました

人工栽培の冬虫夏草粉末を摂取

私は趣味で、いや事業の一環として、腸内細菌の計測を不定期で行っています。今回のテーマは冬虫夏草です。きっかけは、弊社で販売を開始したペット用の無添加ウェットフード「Forema Nature 鹿 -冬虫夏草」であることは言うまでもありません。

冬虫夏草については下記の記事をご参照ください。

https://blog.fore-ma.com/4774/

さて、この商品に使用されている冬虫夏草粉末は、Foremaと同じ広島県のメーカー(池田糖化工業)さんが人工栽培に成功したもので、冬虫夏草の人工栽培は世界でも日本の数社だけらしいです。栽培方法が他社さんとは異なっており、品質(コルジセピン含有)のばらつきを解消している点に優位性があります。

冬虫夏草は中国では黄金並の高値で取引されているもので、人工栽培とは言え、当商品もなかなか高額なもの。その粉末を、深夜に一人毎日摂取するというのはとても刺激的、いや緊張するものです。

薬機法(旧薬事法)の絡みであまりはっきりと書けないのですが、摂取した量は、成人の1日の摂取目安と同等の量。あまり多く手元にないため、摂取期間は1週間としました。

冬虫夏草入り Forema Nature 鹿
Forema Nature 冬虫夏草
  • 内容量:100g
  • 種類:ホンシュウジカ / キュウシュウジカ
  • 部位:混合
  • その他:コルジセピン含有

Forema Nature 冬虫夏草

冬虫夏草で腸内細菌は変化するのか?

乳酸菌素材
↑写真はイメージです。これは冬虫夏草では無く、Forema Nature 腸内細菌に使用されている乳酸菌素材

冬虫夏草摂取の間の食事内容は、前の3ヶ月とほぼ同じもの。

  • 朝晩玄米
  • 昼食はほぼなし
  • ほぼ毎食納豆
  • サラダ(キャベツorレタス、トマト、オリーブオイル)
  • 時々キムチ
  • お肉は週に2回くらい
  • 主食は焼き野菜/時々代打でキノコ
  • 週に半分くらい味噌汁
  • 朝晩ヨーグルトと蜂蜜

決してビーガンではないのですが、肉少なめにすると、ある時期から肉を欲しなくなり、玄米などの食物繊維が猛烈に恋しくなってきます。

以前から、「○○が食べたい」という願望は腸内細菌によってコントロールされているという説が存在していたのですが、これは腸内細菌がセロトニンの生産に働きかけているというのが根拠。

かつてセロトニンは脳内で作られているとされていたのですが、今では8割が腸管で作られていることが分かっています。

「宿主」が自分たちに都合の良いものを摂取した時に、特定の細菌たちがセロトニンをドバっと出すよう働きかけるのだそうです。

そして病みつきになる。

お肉ばかり食べている人は「お肉好きの腸内細菌」たちにコントロールされているわけですが、お肉を断つと「奴ら」の勢力が衰え、やがて「お肉以外のもの(例えば玄米)を好む細菌グループ」に逆転されます。主勢力となった彼らが「玄米を摂取した宿主」に対し、報酬としてセロトニンを授与するというメカニズム。

ともあれ、このような食事内容に冬虫夏草を加えた1週間の食生活の後、改めて腸内細菌を計測しました。

結果、ビフォア/アフターで変化はありませんでした。マジか!!

冬虫夏草が腸内細菌とは無関係な理由

Forema Nature 冬虫夏草
冬虫夏草入りウェットフード「Forema Nature 鹿 冬虫夏草」

作用するプロセスの違い

負け惜しみではないのですが、実は、これはある程度予測していました。ただ記事にしても全然面白くないのでしばらく放置していた次第です..。

良い食べ物が免疫向上に作用するのは、腸内細菌による代謝を経て免疫細胞への働きかけが起こるから。一方、コルジセピン(冬虫夏草が含有する有効成分)が免疫向上に貢献するメカニズムは全く異なります。

「遺伝子の構成成分と競争して細胞のガン化を抑制」

(wikipediaより引用)

することで、腸内細菌経由では無く、細胞に直接影響を及ぼします。

これは、冬虫夏草の元となるサナギタケが冬眠中のサナギを奇襲して乗っ取るという「侵略プロセスの違い」から来るものだと思われます。

腸内細菌たちは、餌を食べ、代謝物を吐き出し、時に代謝物を化学兵器として使用しながら他の細菌たちとの戦いを繰り広げています。サナギタケは、この戦略の外側で「粛々とやるべきことをやっている」という事なのでしょう。

実は少し悪化した!? 原因は?

深入山山焼き
深入山山焼き

実は、今回の計測では前回よりも少し数値が悪くなっています。具体的にはビフィズス菌の微減、腸内多様性の若干の低下、です。

ここには思い当たるフシが多々。

この時期、廃校物流センターオープン前の「町ゴタゴタ」いや、「超ゴタゴタ」があり、非常にストレスフルな毎日だったため。時に睡眠を大幅に削り、時に酒に走り、時に..。結果として幾ばくかの数値悪化につながりました。

今回の教訓で得られたことは、食事も大切だが、酒とストレスのコントロールはさらに重要ということ。

冬虫夏草から得られた学びは大きい。

津浪小学校
廃校を活用したForemaの物流センターが先日、ようやく稼働(試運転!?)を開始しました。場所は広島県の安芸太田町にある旧・津浪(つなみ)小学校。
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One thought on “冬虫夏草と腸内細菌/マイクロバイオームについて”

  1. 初めまして。
    とても面白い取り組みをされていますね!考え方や知識など大変参考になりますm(_ _)m

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