ひだまりで眠る琉球犬 小次郎さん

犬の寿命は延ばせるか? 長寿遺伝子とペット用NMNの話

最終更新日:
公開日:2021/08/22

もう10年以上も前ですが、海外の先端研究の学者らが「不老不死は理論上は可能だ。可否の議論はもう終わった。問題は、それがいつ実現するかだ!」といった趣旨のことを豪語していました。

そこから時は経過し、コロナに翻弄されながらも不老長寿がだんだん現実味を帯びてきているので、愛犬のご長寿という文脈でつらつらと記述したいと思います。

サーチュイン遺伝子という存在

生殖と修復の司令塔

哺乳類には全部で7種類のサーチュイン遺伝子が見つかっています。

サーチュイン遺伝子というのは、細胞の「生殖と修復」を制御する役割を担っているもので、細胞にストレスがかかると「生殖」から「修復」に切り替える指示を出します。

細胞の生殖(細胞分裂)の連続が行き着くのは最終的に老化ですが、サーチュイン遺伝子がオンになって修復に切り替わると、その間は老化も止まります。

長期的、慢性的ストレスは当然体はに良くない一方、短期間の適度なストレスはむしろ体には好影響なのだとされています。

マウスでの若返りも確認

このサーチュイン遺伝子の1つ「SIRT1遺伝子」を欠損させたマウスは急激に老化する事が分かっている一方で、この遺伝子を活性化させたマウスは新たな毛細血管が形成されたというという研究報告があります。https://www.cell.com/cell/pdf/S0092-8674(18)30152-1.pdf

上記と同じ研究者によって同じ処置を施された老マウスが、若返って延々と走り続けたというエピソードもあります。(詳細後述)

また、別の研究においても老化による衰退からの保護が言及されています。

ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)やニコチンアミドリボシド(NR)などのNAD +前駆体の補給は、哺乳類の代謝性疾患、神経変性障害、および加齢に伴う生理学的衰退から保護します。
引用: Nature Communications「NRK1 controls nicotinamide mononucleotide and nicotinamide riboside metabolism in mammalian cells」より

上記に限らず、NMNに関連する論文は既に多く世に出ており、人間用途として少しずつ流通が始まっているのが昨今の現状だと言えます。

サーチュイン遺伝子をコントロールできるか?

できるのだそうです。疑似的に生存の危機を与えると、サーチュイン遺伝子が細胞の生殖をやめ、修復に切り替えるのだと。

具体的には..

  • サウナ
  • 冷凍庫などの極寒
  • 断食
  • ちょっときつめの運動

その上でタバコをやめたりお肉の量を減らす事が長寿に直結する事がわかっています。(禁煙と食事はお医者さんに散々言われているとは思いますが..)

サウナや極寒、断食は、生命が進化する中で経験してきたハードシングスの擬似体験で、「天変地異などでもたらされた極限」を人為的に作り出すもの。これによって細胞が「分裂よりも維持を主体」に切り替わり、結果として老化が大幅に遅れるという流れ。

つまりサーチュイン遺伝子の発動です。

サーチュイン遺伝子をオンにできれば、飼い主さんも愛犬も大幅に長生きができるという事ですね。

Forema スタッフも頻繁にマイナス20度以下の冷凍庫に入っているので、みんな長生きすると思います。(※冷凍庫内では短時間であっても複雑な思考が難しくなり、本能的な行動様式に切り替わります。これは本当です)

愛犬の寿命はどう伸ばす? サーチュイン遺伝子は?

さて、ようやく本題ですが、愛犬の場合、サーチュイン遺伝子はどうやってコントロールすればいいのでしょうか? 愛犬にサウナや断食をさせるのでしょうか?

断食については、この頃ではファスティングといって導入する飼い主さんも増えてきています。サウナについては「近年の夏はサウナだ!」とポジティブに捉えるのも不可能ではありません..。

が、もっと手軽にサーチュイン遺伝子をオンにする方法はないのでしょうか??

ここで登場するのがNMNという存在です。

ミニチュアダックスの子犬
毎日の美味しいご飯の時間は、愛犬愛猫にとって本当に大好きな時間ですよね。 「食べることは生きること。」 生き物が、生きていく上で欠かせない

NMNとは何か?

とあるヌクレオチドの存在

NMNはサーチュイン遺伝子をオンにし、老化抑制に貢献する成分として研究が進んでいます。3文字英語はすごく胡散臭いのですが、正式名称を「ニコチンアミド モノヌクレオチド」といい、とても長いのでどうしてもアルファベットの3文字になってしまうという..

ヌクレオチドは、国立遺伝学研究所の言葉を拝借すると「塩基とリン酸基を結合した糖によって構成される」ということになるのですが、ここでは核酸(DNAやRNA)の基本構成単位といった程度の理解で良いかと思います。 ※DNAはデオキシリボ ヌクレオチドの複合体

NMNはブロッコリーやアボカドなどにも含まれるのですが、微量なため、サーチュイン遺伝子云々というほどの摂取には至りません。

NMNを摂取する方法

食品に含まれるNMNは微量なため、食品から摂取するのは現実的ではありません。が、NMNの精製はすでに行われており、純度99%以上のものが市場に存在します。

しかしながら、高い..。

非常に高価なため、実際にはまだ民間には流通しづらいという状況にあります。

で、ここで一気に宣伝めいた流れになってしまうのですが、Forema でもペット用にNMN入りのサプリ(高濃度!)を開発しています。(2021年秋以降に登場予定)

Foremaサプリ DC2025-NMN
https://fore-ma.com/products/352

愛犬用のNMNサプリ

現実的な価格である事が重要

調べてみると、既に人間用のNMNサプリは存在しており、1ヶ月分で5万円とか6万円とか..。中国でも富裕層の間で需要が高まっており、価格高騰の一因いなっているのかもしれません。

一方で、ペット用途であれば使用量も人間の数分の1程度なので、価格的にも現実的なところで提供できそうです。

犬は「ドッグイヤー7年」というように、人間の7倍早く歳をとります。現在のペット市場のボリュームゾーンは40代以上の女性たちで、ペットの存在が生きがいそのものであるという人も非常に多くいます。

そういう人たちにとって、犬の寿命が伸びること、具体的には犬の平均寿命20年という世界は非常に重要で、QOLに直結すると考えています。

特にそれがシニア女性であった場合、ペットの長寿化がそのまま社会福祉につながるというのが私たちの考えでもあります。

本当にNMNが含まれているかが重要

以前、冬虫夏草の記事でも書いたのですが、このテのサプリは現実的には胡散臭いものが多いです。世の中には科学的根拠のある有益な成分は多々存在するのですが、「では実際にそのサプリにちゃんと含まれているのか?」というところがブラックボックスで全く見えません。

冬虫夏草の話でいうと、中国産で1kg800万円もする冬虫夏草サプリを成分解析したところ、有効成分のコルジセピンは検出できなかった(=つまり偽物)という話を、実際に解析した某研究者から直接聞きました。

その時一緒に解析された国産の有名メーカーの製品も、広告表示とは大幅にかけ離れた低い表示だった上、解析された10製品中まともなものは1つもなかったという現実があります。

https://blog.fore-ma.com/4774/

摂取してどうなったかを検証する

Foremaで開発中の長寿サプリは、もちろんフェイクや”いかさま”はせず、高濃度で配合するわけですが、そんなキャッチコピーは誰でも言えるため「実際に摂取してどうなったか?」を検証していく予定です。

Foremaではペットのマイクロバイオーム(腸内細菌)解析を実施しており、実際に効いているのかどうかの「見える化」ができます。しかし、NMNでマイクロバイオーム(腸内細菌)が変化するのでしょうか?

おそらく、します。

先述のように、マウスの実験では、NMN摂取でマウスの老化が改善(=若返り)が確認されています。具体的には、年老いたメスのマウスの生殖能力の回復や、老化によって起こるⅡ型糖尿病の改善、また持久力の向上(というか若いマウス以上の機能に到達した)というところまで確認されています。

私たちやペットのマイクロバイオーム(腸内細菌群)は、乳児期、幼少期、青年期、壮年期と、ステージごとに変化する事がわかっています。老化が解消され、機能が若かりし頃のように修復されたのであれば、腸内にも同じ事が起こるのが道理と言えます。

このあたりは実際に社内で摂取しながら検証を行なっていますが、ビフォア/アフターの数値取りには時間がかかるので、また追ってお知らせできればと思います。

昨今、主には女性の飼い主さんたちの間で「犬にも腸活」という意識が広まってきているようです。人間の間で少しずつ普及しはじめている腸内細菌(腸内フローラ)

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