鹿の群れ

Foremaの考える生態系保全など

最終更新日:
公開日:2021/07/05

Foremaでは、「生態系保全と経済活動の両立」をビジョンとして掲げています。それについて、既存のユーザーさんなどからしばしば質問を頂くので、ここでFAQ方式でご紹介できればと思います。

Foremaのビジョンについてのよくある質問と回答

Q.Foremaの目指す生態系保全とは、具体的には何? どうするとどうなるの?

A.私たちの考える「生態系保全」は、既存の生態系に可能な限り負荷を与えず、かつ傷んだ部分の回復に貢献する、そういう活動を指しています。

その上で「生態系保全」と「経済活動」が両立できる仕組みづくり事を目指しています。零細の立場ながらも、企業として実践しているのは下記です。

  1. 取引先を選ぶ
  2. 一緒に働く人を選ぶ
  3. 顧客を選ぶ
  4. 寄付や環境系のNPO支援
  5. 日々メッセージを発する

1.取引先を選ぶ

Foremaでは「良い人間たち」と付き合う事をとても大切にしています。例えば、最安値至上主義とか、送料無料とか、大量生産大量消費、みたいな価値観の企業とは取引はしていません。また、営業メールが日々大量に届く中で、言葉尻やメッセージの端々からその企業や担当者の素性を深く読みこむことを習慣づけています。

要は、「その人たちは地球環境にとって良い影響を与える属性なのか?そうではないのか?」を吟味しています。

有益な人たちにお金を払い、一緒に大きくなっていく。これが零細企業にとって今すぐできる最良の生態系保全策の一つだと考えています。

2.一緒に働く人を選ぶ

有能であってもポイ捨てをしたり、ジャンクフードが大好きな人は採用していません。また、創業当初から採用条件に「喫煙者不可」の文言を掲載し続けています。喫煙者の中にも有益な人は時々いるのは理解していますが、その上で喫煙者を除外していった結果、企業文化の構築は驚くほどスムーズに進んでいった経緯があります。

有益な人たちにお給料を払い、一緒に大きくなっていく。これも零細企業にとって今すぐできる最良の生態系保全策の一つだと考えています。

3.顧客を選ぶ

自分のことしか考えていない人にはサービスの提供をお断りすることもしばしばあります。詳細はブログには書けませんw

企業として「良い人間が活躍できる場」をどんどん大きくしていくことで、生態系も含めた社会全体が良くなっていくという信念です。

4.寄付や環境系のNPO支援

額は少ないですが、自然保護系や人道支援系のNPOに昔から寄付を続けています。また、地元の環境系NPOにもやはり小学ながら寄付をさせていただいています。自分たちにできないことを代わりにやって頂いているので、今後社業が大きくなるのに合わせて寄付の額を上げていきたいと考えています。

尚、地元NPOの方々とは時々活動をご一緒させて頂いているのですが、その場には国立大学の優秀な学生らが手弁当で参加してきています。そういう次世代のリーダー層に対し、現役の企業としての”姿勢”を提示する事は有益な事だと信じています。

5.日々メッセージを発する

決して声は大きくないですが、日々SNSを通じてメッセージ/価値観を発信しています。ForemaのSNSは、「ペットの幸せが一番!」みたいな事は一切触れず、ひたすら自然界について語っていたりするので、販促としては片手落ちと言われても仕方ありません。

一方で、顧客ですらないのにファンとして熱心に付き合ってくれる人たちも増えてきており、王道的なビジネスアカウントとはまた違ったテイストの勝ち筋を見出していきたいところです。

Q.日本の自然は壊れている?それについての取り組みは?

A.山林をはじめ、海も川も全体的に良くないように感じます。Foremaの関与している山林について、すごくざっくりまとめると4つあります。

  1. 近代農業による生態系への圧
  2. 増えすぎた人工林
  3. 役目を終えた不要なダム
  4. 頂点捕食者の不在

これらについては、下記の様に考え、行動もしくは計画しています。

1.近代農業による生態系への圧

Foremaで今すぐ関与できるのは近代農業についてで、小さなものではありますが、無農薬/有機栽培事業者への支援と実践(※)、サービスを通じてのメッセージの発信を行なっています。近代農業は海、山、川、人体と、あらゆるところに禍根を残しているため、早急にアップデートが必要だと考えています。

※社内での無農薬野菜手当、Forema商品での無農薬製品の採用、自社農園での無農薬栽培の実施、そしてマイクロバイオーム分野でのメッセージの発信。腸内細菌の問題は「土中細菌と農薬」の延長線上にある出来事です。

一言で農薬といっても、殺虫剤、除草剤、化学肥料、土壌殺菌剤とあります。これらは全て雨を通じて既存の生態系、水系に流出していくのですが、その先先で影響を及ぼしています。

特に殺虫剤は、畑だけでなく、その周辺環境の微細昆虫やバクテリアを壊滅させ、結果として稚魚たちの餌の枯渇につながります。それは水産資源の減少に直結しています。

ウナギの激減は乱獲だと思っていました。もちろんそれも大変大きな要因なのですが、その前段階として、ネオニコチノイド(殺虫剤)がウナギの激減に大きく関

除草剤においても似た様なもので、内分泌系の撹乱が指摘されるものがいまだホームセンターで普通に市販されていたりします。

ワラビー
以前、除草剤のネオニコチノイドが宍道湖の生態系を破壊しているといった趣旨の記事を書きました。ウナギやワカサギなどの稚魚が、ネオニコチノイド導入によって

2.増えすぎた人工林  3.不要になったダム

人工林やダムについては、国策レベルの話なので今の私たちの力ではどうにもできません。よって会報誌やSNSなどで価値観を表明するにとどまっています。将来一部上場企業くらいの事業規模/発言権を持てるようになった時、初めて関与が可能になるのだろうと思います。

4.長点捕食者の不在の問題

頂点捕食者不在の問題については、オオカミ再導入について学ぶために狼フォーラムに参加したり、主に書物での知識の蓄積を行なっています。今後10年以内に現実可能な方法として、猟犬を山裾に配置することで野生動物の進出を抑止(紛争回避)するというプランを検討しています。

尚、生態系については外来種のことばかりが言われがちですが、これはメディアによるミスリードがかなり大きいです。

狼写真
日本人が100年前に絶滅させてしまったニホンオオカミ。鹿や猪が激増する中、タイリクオオカミ(ハイイロオオカミ)によるオオカミ再導入の議論が進んでいます

Q.野生動物の出没は人間の自然破壊が原因?

A.人間界と自然界が領土紛争状態にあるのは間違いありません。が、これは古来から続くものなので、それ自体は正常なものとも言えます。山に餌がなくなると野生動物は確かに人里に降りてきます。一方、どんぐりの豊作などで山が豊かになると、個体数が増えて、やはり翌年は山から降りてきます。

本来増えすぎた個体はニホンオオカミが捕食したり、猟師さんらが仕留めたり、また江戸時代であれば藩を挙げての大規模な狩猟も年に1,2度あったそうです(地域にもよる)。

私たちは「野生動物を殺してほしくない」という考えで一貫しているのですが、一方で、自然界では捕食は当然の事象なので、猟師さんらによる狩猟は否定しません。

昔の狩猟と現代の駆除との違いは、殺した後に捨てるか、食べるかという点です。なので、「せめて食べることで自然界に対してのスジを通したい」と考えています。

尚、野菜を守る事を放棄すると、都市部での食糧難に直結してしまいます。その場合、弱者から順に飢えていきます。

Q.人口減少でも新たに森が切り開かれています。こういう事があるから野生動物が出没するのでは?

同感です。が、それは同時に都市部の目線でもあります。山間部にいるとものすごく良くわかるのですが、都市部で開発が進むスピードよりも、山間部で人間界が縮小していくスピードの方が遥かに早いです。今、自然界がものすごい勢いで領土を取り返しに来ています。野生動物の出没などはその一環であり、毎年鹿と猪を合計で100万頭以上捕獲しても、生息数はさらに増えています。

自然界は私たちが考えるよりもずっとタフで、ものすごい回復力と生命力を維持しています。この点はすごく喜ばしいことだと思います。

草木においても同様です。Foremaの農園は小さいながらも無農薬でやっているので、わずか2,3日で草が生い茂ります。昨年夏にしばらく農園を放置したところ、たったの1ヶ月で畑の形跡はほぼ見えなくなり、腰くらいまで伸びた草花に覆われました。

Forema 農園の枝豆
農業で、三姉妹農法という方法があります。以前サクッと取り組みを開始し、いつの間にやら失敗していたので、教訓のためにもここに経緯を記載しておきます。

草を刈ったら刈ったで、すぐに猪がやってきます。猿とツキノワグマもいます。
今後も人口は減り続けますが、それは自然界にとってはものすごくエコな事で、
あとは経済が崩壊しないよう緩やかに縮小していければ、わりと幸せな未来が
あるのではないかと感じています。(温暖化を除く)

Q.野生動物を駆除しなくていい仕組みづくり、できませんか?

A. Forema としても、最終的には動物たちを駆除しなくてよい世界を目指しています。そのためには、先述のように頂点捕食者の代替として猟犬などを山裾に配置する事が現実的で、それによってお互いの棲み分けが進むと考えています。

この実証実験のため「Forema村(そん)」という構想を暖めています。

中国山地では、今にも山に飲み込まれそうな集落がいくつもあるため、この集落および周辺一帯をまるまる借り切って(もしくは買い取って)自然保護区のようなものの設置を考えています。

Forema村の保護区内で猟犬を自由に歩かせる事で農作物被害が軽減する事を数値として実証し、自治体を巻き込んでの小さな社会実験につなげていきたいところです。うまく発展すれば、将来的には駆除せずとも「農作物の保護」が可能となり、同時に保護区内での農薬禁止を徹底する事で川魚が戻ってくる水系再構築につながるなどと夢想しています。

現在、細胞肉や培養野菜の技術が確立され、価格も下がり始めています。細胞分裂から作るお肉や、土屋お日様と無縁な野菜。聞くだけで不健康そうですが、地球環境への負荷という視点だと既存の畜産業や農業よりはるかに有益なものだと感じています。過渡期なので色々と問題はあると思われますが、この領域はテクノロジーが解決していくだろう楽観視しています。

Q.野生動物にとって最適な環境とは??

A.この原稿を書いているデスクから50mくらい向こうの茂みで、鹿が鳴いています。(22時頃の自宅にて)

鹿たちは人など眼中にないようです。職場では鳥が囀り、夜は猪、時々キツネ。

個人的にはこの距離感はすごく素敵だと感じています。

放っておいても人は減るので、野生動物にとってはそんなに悪くない未来が待っているのではないかと思い、日々活動しています。

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