近年需要の増えている「犬の手作りご飯」の情報。検索ボリュームを調べてみると、夏頃に検索量が増える傾向が強く、秋に入るとひと段落します。
おそらくは夏の食欲不振を乗り切って、いい具合に食欲が戻ってきたことが考えられます。一方季節はジビエシーズン突入間近。秋冬への準備を始めた鹿や猪の導入も兼ねた、「犬の手作りご飯 2020年秋」をまとめてみましたのでご参照ください。
目次
2020年秋に注目された、犬の手作りご飯レシピ 一覧
鹿肉と冬瓜のジンジャー蒸し
鹿肉と冬瓜(とうがん)の組み合わせはおすすめです。冬瓜は、字とは裏腹に夏の野菜。中国読みのトウグァがなまったとも言われています。夏野菜なので漢方的には体を冷やす効用があります。
一方の鹿肉は、同じく漢方目線だと体を温めるとのことで、夏には回避するという人もいます。鹿も季節によって様々なものなので、夏鹿が砲塔に体温をあげるのかどうかは謎ですが(少なくとも自然界の捕食者は夏でも鹿を捕食する)、ともあれ、冬瓜との組み合わせである程度懸念は払拭されると言えるのではないでしょうか?
材料
- ◉鹿肉
- ◉さつまいも
- ◉冬瓜
- ◉アスパラ
- ◉しめじ
- 生姜(すりおろし)
- ミニトマト
- パセリ
レシピ詳細は下記↓から
【初心者】はじめての手作りスープごはん
こちらはタイトルにもあるとおり、手作りご飯の初心者さん向けレシピ。内容は至ってシンプルで、切って茹でるだけ。レシピの内容もさることながら、解説欄にある、手作りご飯の背景や考え方など、初心者さんに寄り添った内容になっています。
スープご飯となっていますが、お肉がスープのダシの元となっており、栄養も水分も余すところなく摂取できる、基本にして重要なレシピ。調味料の有無を除けば、人間のご飯と基本的に同じだなぁと思います。
材料
- 大根
- 人参
- キャベツ
- 小松菜
レシピ詳細は下記↓から
鹿肉のあんかけオープンオムレツ
こちらは、先に紹介した「【初心者】はじめての手作りスープごはん」をアレンジしたメニュー。スープと具材を分けておいて、具材を卵に混ぜるだけ。火を通せばオムレツ風の出来上がり。
その上で、エキストラバージンオイルを使用するとか、水溶き片栗粉でとろみをつけるなどのサジ加減で細部を整えています。こういうのは、文字にするとわかりにくいのですが、ざっくりいうと「卵を使ったアレンジ!」ということで、まずはやってみることをお勧めします。
材料
- 鹿肉
- 【初心者】はじめての手作りスープごはんをから一食分
- 野菜
- 【初心者】はじめての手作りスープごはんをから一食分
- ミニトマト
- 1個
- 水溶き片栗粉
- 適量
- 卵
- 1個
- 白米
レシピ詳細は下記↓から
鹿団子と冬瓜のスープ
今回の”まとめ”で再び登場の冬瓜。保存がきいて便利なので重宝されていますね。上で、冬瓜は体を冷やし、鹿肉は体を温める(らしい)と書きました。が、鹿肉の場合、季節によって食べているものが異なるので、本質的にはその季節にあった効用になっているのだと思います。もう一度書きますが、自然界では夏でも冬でも捕食者は鹿を捕食しているわけなので..。
で、このレシピにおいては”きくらげ”も採用されているのですが、これも旬は初夏から秋口までで、収穫時期も10月あたりまで。その意味でもこのレシピは秋の始まりレシピという位置付けになりそうですね。
材料
- ●冬瓜
- ●きくらげ
- ●もやし
- ●厚揚げ
- ●豆苗
- 片栗粉
- ミニトマト
- ブロッコリースプラウト
レシピ詳細は下記↓から
かぶと猪肉の豆乳スープ
カブの旬は春と秋。このレシピは秋カブですね。カボチャも夏終わりの収穫もしくは秋ものにて。生肉が採用されていますが、加熱するしないは愛犬の食事スタイルに合わせてあげることが大切です。
マニアックな話になるのですが、豆乳はエクオール産生菌という属性の腸内細菌を増殖させる働きがあります。エクオール産生菌というのは、大豆に含まれるイソフラボンを分解してエクオール酸という物質を吐き出す細菌類の総称。エクオール酸は長寿や抗がん作用といった、いわゆるアンチエイジングに有効だとされています。豆乳だけでなく、豆腐や納豆もエクオール産生菌にとっての有益な食糧となります。
レシピ詳細は下記↓から
セロリとモロヘイヤスープ
夏が旬のモロヘイヤとセロリということで、これは秋口レシピと位置付けたいですね。モロヘイヤは古くからエジプトでも食されていたらしく、高温のアラブ諸国が原産の野菜。ビタミンやミネラル、食物繊維が一般的な野菜よりも多く含まれるとされています。中東〜北アフリカ原産というだけあって、冬場には出回らない野菜なので、まさに旬といったところ。
一方のセロリは通年で出荷されているのですが、夏出荷の多い長野が全体のシェアの最も多くを占めています。セロリ自体は栽培可能な時期が長く、春のセロリ/秋のセロリなど存在します。同じセロリでも、その気候で収穫したものをその時期に食べるのが良いのだと思います。もちろんセロリに限らず全般に言えることでもありますね。
レシピ詳細は下記↓から
halloween★ハンバーグ
近年では秋の定番ともなったHalloween。この絵は個人的には「エルム街の悪夢」を彷彿とさせます。(知ってるかな??)
鹿肉のミンチは、実は結構パサパサするもので、猪との合い挽きミンチにした方が人間的には美味しいもの。愛犬の場合はあまりそういうのは気にしない(はず?)なので、いい具合にトッピングしてあげて、見た目に楽しく、中身ヘルシーで仕上げてあげるのがいいですね。
材料
- 【ハンバーグ】
- うずら玉子
- 長芋
- ※無くてもok
- オリーブオイル
- ※焼く用
- 【トッピング】
- チーズ
- 焼き海苔
- 黒ごま
- 【付け合せ】
- レタス
- 紫キャベツ
- パプリカ
レシピ詳細は下記↓から
秋の手作りご飯レシピの傾向とポイント
今回はスープものが多かったです。冬瓜は夏の野菜ですが、日持ちするので秋冬も活躍。夏の名残と秋鹿という組み合わせですね。
ここにあるレシピは鹿が多かったのですが、赤身のお肉であれば代用が効きますし、また猪、もしくは市販のチキンやポークでもOK。
手作り食の最大のメリットは、ドッグフードではないという点。
総合栄養食は、理論上・数値上は必要な栄養素を満たしていることになっています。一方で、摂取しなくていいものまで摂取させられている側面もあり、本当にまともなフードを求めるならばなかなか高額なのが本当のところです。
現実問題、総合栄養食のドライフードの開発には莫大な資金が必要となります。開発後の生産においても同様です。となると、そのコストをどこかで誰かに負担してもらわなければなりません。よって、まっとうなドライフードは本来高額なものです。
が、現実にはそうなっていません。フードに限らず、あらゆる製品において「安くて楽ちんで良い品」は存在しません。必ずどこかに歪みがきます。
ならば手作りで! ちょっとの時間とひと手間をかけてあげることで、コストカットと品質向上の双方が実現できます。もちろん栄養が偏らないよう、常に情報の収集とアップデートは必要ですね。
犬の手作りご飯の一覧は下記からどうぞ。
株式会社Forema(フォレマ) 代表。生態系保全活動の傍ら、自社ラボで犬と猫の腸内細菌/口腔細菌の解析を中心に、自然環境中の微生物叢解析なども含め広く研究を行なっています。土壌細菌育成の一環として有機栽培にも尽力。基本理念は自然崇拝。お肉は週2回くらいまで。