奥三段峡

奥三段峡 シャワークライミング

社員研修と称して、西日本有数の景勝地、安芸太田町の「三段峡」でシャワークライミングに参加してきました。初日は、三段峡からさらに奥に入った「奥三段峡」での実施です。

人の立ち入らない秘境 奥三段峡

奥三段峡 畳ヶ平(たたみがなる)
奥三段峡 畳ヶ平。「たたみがなる」と読む

「三段峡」は、広島の人なら誰でも知る景勝地ですが、「”奥”三段峡」は地理的にはかなり分断された奥地。落石や崖崩れも日常的なエリアなので、一部の登山愛好家や渓流釣りの人以外は立ち寄らないどころか、その存在すら知らない源流域の秘境と言えます。

今回登ったのは太田川水系最上流域の支流、田代川。広島/島根の最高峰 恐羅漢の山麓の谷間に位置します。

語るよりも見るのが一番ということで、動画と写真をポンポンと載せていきます。

奥三段峡 田代川
奥三段峡 田代川
奥三段峡 田代川
奥三段峡 田代川。この辺りから巨岩が目立ち始める
巨岩を上る参加者 奥三段峡
巨岩を上る参加者。インストラクター(左)はNPO「さんけん」の本宮氏
田代川の名も無き小瀧
田代川の名も無き小瀧。それでも水圧は巨大で人力での突破は困難
名も無き滝の岸壁を登る 奥三段峡
名も無き滝の岸壁を登る。この後水に落ちた

尚、今回のツアーは、NPO法人「三段峡-太田川流域研究会」(通称さんけん)の皆様に引率、ご指導いただきました。

さんけんには、ボランティアで100km近い遠方から通ってきて活動する広島大学の学生さんたちがおり、今回は彼らも参加する非常に若々しい面々でのツアーでした。

原流域の生態

田代川上流
田代川上流

上流域なので水量は決して多くは無く、水が冷たいせいか魚もそんなに多くはありません。多かったのはカジカガエルやモリアオガエル、ニホンヒキガエル。その上でクモ、羽虫、アブ。この場合、局所的に上位の捕食者はカエルで、多分どこかにヘビが隠れているのでしょう。

奥三段峡で出会ったカエル
奥三段峡で出会ったカエル。カジカにしては大きい。モリアオガエルは擬態で色を変えられるらしく、おそらくはそれ。

ガイドさんいわく「水が冷たすぎてオオサンショウウオはいないかも..」との事。

崩れそうな岸壁と広葉樹林

田代川
田代川と岩石。岩の角が取れるまで何十年くらいかかるのだろうか?

さらに上流域になると両側が迫ってきて、岩のサイズが明らかに巨大になっていきます。崩落現場そのもので、その隙間を清流が流れているもの。

一枚岩となり、そこを山水が撫でている、源流域らしい絵。

奥三段峡 田代川上流
谷底は岩盤であった

谷底から見上げれば岩そのものに木々がへばりつき、巨大に成長しているのが分かります。おそらくは岩の隙間に種が入り、ここから発芽して岩の奥深くまで少しずつ根を伸ばして生き抜いてきたのでしょう。

岸壁と樹木 奥三段峡にて
岸壁と樹木。今にも落ちてきそうで下から見上げると恐怖。

長い年月を経て樹木は成長し、相当な重さで岩に負荷を与えていきます。根も日々を押し広げ、やがて岩もろとも崩れ落ちる運命にあるのだと思います。そのようにして地形は作られ、やがて粉々になって海へと流されていく。

奥三段峡の岸壁
奥三段峡の岸壁。石英斑岩?

人工林ではない山林と保水

奥三段峡 畳ヶ平
奥三段峡 畳ヶ平でのひとこま

日本の山は人工林の占める割合が非常に高く、一面べったり杉の木、という光景を誰しもが見慣れているのではないでしょうか? が、人の手がほとんど入らない天然の山林は同じ樹木が続けて並んでいるのを見つける方が難しいほどで、数多樹木がジグソーパズルのように切磋琢磨(というかサバイバル)して混ざり合っているもの。これぞ生物多様性という絵が延々と続いていました。(良い写真が撮れず..)

源流域の降雨/降雪が広葉樹林の森に保水され、長い時間濾過されて少しずつ流れ出てくるのが河川の始まりです。ところが近年は雪が降らず、雨は短時間でドシャっと降り、かつ人口の針葉樹林ばかりで保水力が低いという三重苦のような状態にあります。

海山川を水が巡っていく営みが崩れ始めた近年。

「まだ間に合うのだろうか?」

この事ばかりが頭をよぎりました。

余談ながら、この川を小さな沢になるまで上り詰めていくと、たどり着くのが下記の界隈。厳冬期の降雪もまた貴重な水源なり。

恐羅漢ツリーラン
恐羅漢の裏側

恐羅漢ブルー!バックカントリー

Forema Press の記事一覧へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です