先日、地元の安川(広島市安佐南区)があまりにもゴミで溢れているので、清掃活動に向けた「視察」を行いました。川に降りて歩いたのはわずか100m程度。そこで見つけたのは…
安佐南区の安川清掃で見たもの
・レイコップ
・電気釜のフタ
・電気釜内蓋(?)
・ガラケー
・ズボン(泳いだ?)
・定番の傘
・農業系ビニール
・ヌートリアの巣穴(これはゴミではない)
農業ゴミが大半を占めていた
いきなりのレイコップには(確率的にも)驚きましたが、深刻なのは大量のビニール。近年国際的にも問題になっているマイクロプラスチック汚染にも直結するような事象で、今回清掃の視察を行ったのもこの大量のビニールがあまりにも目に余ったから。
川に降りる前はどこかの馬○者がコンビニ袋や菓子類の袋を投げ捨てているのだろう、けしからん! などと考えていたわけですが、実際にはこれらビニールの大半が農業に由来するものでした。鶏糞や牛糞などの肥料系の袋をはじめ、紐なのかカバーなのか、畑でよく見られるとても強度のあるビニール類が劣化し、ちぎれて枝などに大量に絡まっているのでした。視覚的にもひどい状況ですが、原因がある程度絞られている点でひょっとしたら解決が模索しやすい事例なのかもしれません。
ここだけ見ると「ちっ、なんて川だ!!」となりますが、この川はカワセミも生息する、広島市近郊では比較的綺麗な川。にも関わらずこの惨状で、多くの河川(そして海)で同じようなことが起こっているのだろうと思います。ボランティアの善意だけに頼らない、川を綺麗にする仕組みについて漠然と考えながら視察を終えた次第です。清掃活動についてはまた後日。
余談ながらヌートリアについて
尚、文中で触れたヌートリアについては、戦前に主に軍の毛皮用途に飼育されていた外来種が野生化したもので「侵略的外来種」として西日本を中心に問題になっています。
By Alpsdake (Own work) [CC BY-SA 3.0], via Wikimedia Commons
ヌートリア(Nutria、中国語: 海狸鼠、学名: Myocastor coypus)は、ネズミ目(齧歯目)ヌートリア科に属する(以前はカプロミス科に分類されていた)哺乳類の一種。別名は沼狸。南アメリカ原産。日本には本来分布していない外来種で、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律では指定第一次指定種に分類されている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヌートリア
侵略的外来種というのは、既存生態系にとってより負荷の大きな外来種のことですが、実際に外来種によって生態系が崩壊する事例は全体の数%にも満たないという指摘があります。
鳥の楽園である絶海の離島にクマネズミが侵入して鳥類が壊滅した、というような話は極端な事例であり、ほとんどの場合、外来種は既存生態系の迎撃を受け、最終的にはお互いに適切なバランスに落ち着いて生物多様性が高まるという結果に至っています。これについてはまた別の機会で..。
株式会社Forema(フォレマ) 代表。生態系保全活動の傍ら、自社ラボで犬と猫の腸内細菌/口腔細菌の解析を中心に、自然環境中の微生物叢解析なども含め広く研究を行なっています。土壌細菌育成の一環として有機栽培にも尽力。基本理念は自然崇拝。お肉は週2回くらいまで。