鹿肉で作られたドッグフード 「Forema Nature 鹿」のご紹介。保存料や着色料、香料など、いわゆる添加物は一切不使用のドッグフードです。(キャットフードとしても利用OK)
目次
Forema Nature 鹿とはなにか?
「Forema Nature 鹿」は鹿肉、お水、少量の寒天だけ作られた愛犬用/愛猫用のペットフード。「フォレマネイチャーしか」と読みます。
栄養成分は以下の通り。
内容量 | 100g(1パック) |
---|---|
原材料 | 鹿肉/水/寒天のみ |
部位 | 混合 |
鹿の種類 | ニホンジカ(ホンシュウジカ/キュウシュウジカ/エゾジカ) |
原産国 | 日本 |
形状 | レトルト(加熱殺菌処理済み) |
保存方法 | 開封前は常温/開封後はすみやかに使用 (高温になる場所、日の当たる場所での保管はお避けください) |
備考 | 保存料や香料、その他添加物は一切使用していません。 |
用途 | 犬用もしくは猫用のウェットフード |
水分 | 83.75% |
---|---|
粗たんぱく質 | 14.57% |
粗脂肪 | 0.89% |
粗繊維 | 0.02% |
粗灰分 | 0.72% |
可溶無窒素物 | 0.05% |
総エネルギー | 92kcal/100g |
代謝エネルギー | 59kcal/100g |
とは言え、いまいち良く分からないと思いますので解説します。
- 種類:ホンシュウジカ / キュウシュウジカ
- 部位:混合
Forema Nature の成分表示について
水分:83.75%
これはそのまんまですね。Forema Nature は1パックあたり100gで、鹿の粗挽きミンチを大鍋で炊いて作ります。煮汁も捨てずに一緒にパックするので水分を多く含んでいます。
100g中、お肉は70g使用しているのですが、お肉自体も水気を含んでいるので、全体で8割以上が水分ということです。老犬であまり水分をとれなくなった、と困っている飼い主さんがForema Nature を喜んでくれるポイントがここ。手軽に水分が取れるので重宝いただいています。
粗タンパク質(そたんぱくしつ):14.57%
「粗」ってなに? となりますね。Forema Nature は「ケルダール法」という一般的な手法で「粗たんぱく質」を計測しているのですが、これは直接たんぱく質を計測するのではなく、含有されている窒素の量からタンパク質を逆算して導くという方法。データの信頼性が高いとか、分析値のばらつきが少ないというメリットがあるのだとか。
14.57%がどういう数字なのか、よく分からないと思います。他の製品との比較について後ほど触れます。
粗脂肪(そしぼう):0.89%
文字通りの脂肪です。いくつかある脂肪の抽出法で計測するのですが(Forema Natureはジエチルエーテル抽出法)、ステロール類、ビタミンなども溶け込んでしまうため、(純粋では無いという意味から?)粗脂肪という名称なのだそうです。普通に脂肪分と捉えて良いかと思います。鹿肉だけに、低いですね。
猪肉で作った「Forema Nature 猪」の粗脂肪は4.54%なので、鹿肉がいかに低脂肪化がよく分かります。こう書くと猪の脂質が高そうに見えますが、実際には猪のお肉ですら資質は牛肉の半分ほどしかありません。(鹿は牛肉の10分の1ほど)
粗繊維(そせんい):0.02%
セルロースやリグニン(木質素)といった、いわゆる繊維。一般的なペットフードの場合、植物性のものを配合するのですが、Forema Natureでは鹿肉と少量の寒天しか使用していないので繊維質は極めて低いですね。ちなみに寒天自体は、100gあたり5〜6%程度の食物繊維を含有するそうです。
粗灰分(そかいぶん):0.72%
これも読んで字の如くで、実際に燃やして灰にして残ったものを計測します。直接灰化法という試験方法です。水分やら有機物やらが燃えて灰になると0.72%しか残らなかったということなのですが、この0.72が概ねミネラルなどの指標で、とはいえ一部不純物も含んでいるので”粗”という頭文字がついています。
可溶無窒素物:0.05%
全体から上記の5成分を引いて残ったもの。「その他、余り」みたいな感じでしょうか。実際には炭水化物に該当するもの。
総エネルギー:92kcal/100g
飼料を燃やした時に得られる総熱量。
代謝エネルギー:59kcal/100g
総エネルギーのうち、実際に消化されてエネルギーに使われるもの。一定の計算式に則って導かれます。食べたもののうち、糞として体外に排出されずに残ったものがエネルギーとして吸収されるわけですが、タンパク質分解の過程で生じるアンモニアの毒素を分解するなどのエネルギーとして消費されるため、それらを差し引いたものを代謝エネルギーとしています。
と、成分についてざっと記載しましたが、これらの中で一般的に最も気にされやすいのが、カロリーとタンパク質ではないかと思います。
鹿肉は高タンパク低カロリー
鹿肉の成分について
鹿は高タンパク低カロリーと言われて久しい、食材としても優等生のようなお肉です。安直で恐縮ですが、以前作成した画像を貼ります。
先にも触れましたが、脂質の少なさが際立っています。一方でタンパク質が豊富なので、アスリート向けの食材として静かに需要が高まっているとの話もあります。
他社さんとのプチ比較
ちなみにかの優良ペットフード、ジウィ・ピークのドッグ缶ベニソンが代謝エネルギー 120kcal/100gでタンパク質は10.0%以上となっています。
Forema Natureは 59kcal/100g で粗タンパク質 14.57%なので、高タンパク低カロリーを地で行っている事がわかります。ジウィ・ピークのドッグ缶(ベニソン:鹿肉)は鹿のお肉の他にも内臓類や骨、緑イ貝なども配合してあるので、その辺りの違いかと思います。
- 種類:ホンシュウジカ / キュウシュウジカ
- 部位:混合
カロリーは盲信しすぎない方がいい??
特に女性の方は愛犬/愛猫の食事においてもカロリーをとても気にする傾向があるように思います。以前、とあるメーカーがカロリーの表記を変えたところ、SNSで盛大に炎上したのを見た事があります。しかも叩かれていたのはメーカーではなく販売店。カロリー表記の変更は、原産国の欧州のカロリー計算基準が変変わったためで、販売会社の落ち度はないにもかかわらず..。
この群衆心理はさすがにどうかと思いますが、ともあれ、それくらいカロリーに気をつけているユーザーが多いという証左でもあります。
とは言え、カロリー計算は所詮は人が定量化するために考え出したもので、重要な参考指標ではありますが、盲信するべきでな無いようにも思います。
というのも、例えば同じ100kcalを摂取したとしても、個体によって吸収する量は異なるためです。私たちおよび動物は、食べたものの多くは自前では消化吸収できません。膨大な数の腸内細菌群が分解して別のものに代謝したものを取り込んでいるのが実態です。
その時、保有している腸内細菌の種類や量によってエネルギーとして代謝されるカロリーの量は異なってきます。保有する細菌の種類は個体差が大きいので、同じカロリーを摂取しても吸収される量は個体ごとに違うという事になります。
また、腸内細菌の組成が本来あるべき状態から崩れていると、不必要にエネルギーを溜め込んでしまったり、脂肪細胞が分裂せずにどんどん膨れ上がってしまうなどの不具合が起こります。(自己免疫疾患としての肥満)
また、バナナから得られるカロリーとチョコレートから得られるカロリーは、同じ100gでも意味合いが全く異なるということは肌感覚でご理解いただけると思います。バナナに含まれる食物繊維やオリゴ糖類を好む細菌群と、チョコレートに含まれる白糖や脂肪分、その他ありがちな混ぜ物(今や純粋なチョコレートを見つけるのは困難!)を好む細菌群では素性が異なるから。
カロリーは盲信すべからず。あくまで参考数値です。
Forema Nature は猫でも食べられる?
よく聞かれるのですが、Forema Nature は猫ちゃんOKです。Forema の猫スタッフさんも掌サイズの頃から爆食いしていました。一般的なドッグフード、キャットフードは、お肉などの主要成分に犬に最適/猫に最適な成分を加味してアレンジしていある(はず)なのですが、Forema Natureはその前段階の原料そのものなので、愛犬/愛猫に関係なくご利用いただけます。おそらくワニやオオトカゲといった肉食性の爬虫類、ひょっとしたらカミツキガメとかアロワナでもいけるかもしれません。
お酒で言うと原酒のような立ち位置に近いので、手作り食もしくは総合栄養食でバランス採りをお願いします。ともあれ、不純物を廃したシンプルなウェットフードなので安心してご利用いただける良品。私も筋トレ後に何度か食した事があるほどです。
というわけで、鹿肉ドッグフード/キャットフード 「Forema Nature 鹿」を宜しくお願いします。
株式会社Forema(フォレマ) 代表。生態系保全活動の傍ら、自社ラボで犬と猫の腸内細菌/口腔細菌の解析を中心に、自然環境中の微生物叢解析なども含め広く研究を行なっています。土壌細菌育成の一環として有機栽培にも尽力。基本理念は自然崇拝。お肉は週2回くらいまで。