この頃よく耳にする腸内フローラ(マイクロバイオーム)の話

2019年11月25日

昨今話題の腸内フローラ。世界ではマイクロバイオームという呼び名が一般的です。微生物生態系、みたいな意味合いです。

現代の医療では十分に説明ができない現象に、どうやら腸内細菌が関与しているらしいという学説は昔から存在していました。が、なかなか証明できない。そんな中、2012年にアメリカの国家プロジェクトとして始まったヒト・マイクロバイオーム計画。最新のシークエンサー(微生物の遠心分離)やDNA解析技術を投入し、腸内にどんな種類の細菌がどれだけ存在し、どういう作用をしているのかという研究に大金が投入されました。背景にあったのはアルツハイマーやパーキンソン病、クローン病や自閉症患者の急増で、このままでは国家が破綻してしまうという危機感もあったようです。

数多くのボランティアやモニターのサンプルを研究者らが解析していった結果、驚くべき結果が次々と解明されていきました(現在も進行中)。例えば心の病とされてきた鬱病は腸内細菌の組成に大きく左右されているという事。鬱のマウスの腸内に健康なマウスの便を移植すると鬱が改善し、逆に鬱マウスの便を健康マウスに移植すると鬱になるという事実。これは肥満や大腸炎にも共通し、さらには脳の問題とされて来た自閉症やアルツハイマーでも同様であることがわかって来ています。マウスと人は必ずしも同様ではないものの、人における便移植も始まっており、マウスの実験結果が人においても再現性があることが分かってきました。

そんな中、腸内細菌の組成(マイクロバイオーム)に最も影響を与える要因として、食べ物や添加物、農薬などの化学物質、医療行為における抗生物質が指摘され始め、それらの因果関係を明らかに示唆するような研究結果が多く発表されはじめています。

これは「○○パン」の防腐剤が危ないらしい、みたいな都市伝説が、実際に先端研究の分野で証明可能になって来たという事だと理解して良さそうです。

世の中には危なそうな物質はたくさんあって、しかしながら「健康に影響のない範囲」で使用されている事が一般的だと解釈しています。食品添加物の類などはまさにそれ。

では、健康に影響のない範囲の線引きはどこなのか?

健康被害が目に見える形で表面化する前段階で体内に何らかの影響が出ていたとしても、これまでは誰もそれを見つける事ができませんでした。また、仮に何らかの健康被害が出たとしても、容疑者が多すぎて主犯の特定ができない(因果関係が証明できない=科学的ではないと逆に断罪される)。

ところが腸内細菌は正直です。食べたものによって特定の細菌群が増え、特定の細菌群が減る。「○○パン」だけを食べ続けたグループと、全粒粉のパンを食べ続けたグループでマイクロバイオームの組成を比べると、体質や遺伝形質にかかわらず、皆同じような腸相に近づいていく事が予想されます。

実際に「○○パン」で実験が行われたわけではないのですが、類似の研究として肉類を中心とした動物性高脂肪食のグループと野菜を中心とした食物繊維食のグループでの実験が行われています。この時の研究では主に肥満に対する調査の一環でマイクロバイオームの実証実験がなされたわけですが、やろうと思えば特定の食品や特定の添加物に対しての調査も可能なところが非常にセンシティブです。アメリカで下手にこれをやってしまうと産業界からの圧力で生命もろとも消されかねないような危うさ(=既存経済への破壊力とも言える)を感じます。

では、実際に食べ物を変えると腸内のマイクロバイオームにどのような変化が起こるのでしょうか??

7月から食事と環境を変え、検査機関に依頼をして実査に自分の体で実証実験を開始しました。

続きは次回。

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