鹿肉でプランクBBQ

鹿肉でプランクBBQ 「野営の人Vol.6」

島根県の猟師さんに会いに行く途中、中国山地の真ん中で日がくれてしまったため、野営を行いました。場所は広島県と島根県境にある八幡湿原近く。臥竜山掛頭山に挟まれた自然界ど真ん中でした。

臥龍山
臥龍山。この山の向こう側が今回の野営現場。ちなみにこの写真は11月初旬。
掛頭山
掛頭山。この山の向こうが野営現場。ゲレンデは芸北国際スキー場。

八幡エリアは広島県内でも頭一つ飛び抜けた寒冷地帯で、厳冬期早朝には広島なのにダイヤモンドダストが見られるという異世界。この日は10月なのに日没時点で7度という、なかなか過ごしやすい環境でした。(数日前には早朝で2度だったとか・・)

二川キャンプ場と八幡湿原

野営というと、その辺の野っ原でと想像されるかもしれませんが、この辺りの八幡湿原は地域の宝であるとともに学術的にも存在意義が高いのだそう。

古くは1950年代の総合学術調査で、現在では中間湿原の代表群落となっているヌマガヤーマアザミ群集が、ここ八幡湿原で発見命名され、一躍世界にその名を知られた学術的にも大変価値の高い湿原です。

http://www.kitahiro.jp/sightseeing/yawatashitugen/

土地の利権で誰かの逆鱗に触れても嫌ですし、何よりツキノワグマが生息しているエリアなので、人間のテリトリーである二川(ふたごう)キャンプ場を利用させていただきました。

二川(ふたごう)キャンプ場

夕暮れの二川(ふたごう)キャンプ場
夕暮れの二川(ふたごう)キャンプ場。秋の日暮れはつるべ落とし。

二つの川と書いてふたごうキャンプ場と読みます。文字通り二つの小川に挟まれた場所に立地しています。にがわ、にがわと言っていると大阪の競馬場みたいなので、ふたごうでいいと思います。

キャンプ場といっても野原が切り開かれているだけで、台風後のこの日は湿地状態。歩くたびにふかふかの事件がジュワ、ジュワと音を立てるバッドコンディション。そして7度。

界隈はツキノワグマもアクティブな地域なので、人の手で切り開かれている点は護身の観点からも非常に大切です。

プランクBBQについて

鹿モモのプランクBBQ
鹿モモ肉をプランクBBQで調理。赤みの柔らかさそのままのジューシーな仕上がり。

プランクBBQは以前にも何度かご案内しましたが、杉板の上に食材を乗せて焼く、本場アメリカ流の手法。直火ではなく、やんわりとした加熱で全体にじわじわと熱を通すので繊細な食材には特にオススメです。

ジビエでプランクBBQ 鹿肉編

今回は以下の手順で実施。

杉板を水にさらす

猪の掘られた地面
小川沿いは猪に掘り返されて荒れ地に。台風明けということもあり、足場は不安定。

杉板が燃えないように水に浸します。本来はすぐそばの小川に1時間くらいさらしておくのがいいのですが、すでに日没。川辺は猪に荒らされた上にぬかるんでおり、落ちても嫌なので野原の湿地に15分くらい放置。山奥の野原なので汚いとは思いませんが、加熱で滅菌されるからOKです。念のため。

お肉を適度にカット

鹿の外モモ肉
鹿肉を適度にカット。食べやすいサイズ、火が通りやすいサイズに。

鹿肉の登場です。火の通りを良くするのと、食べやすくするために適度にカット。できれば一緒に野菜を入れると加熱具合のバロメーターにもなりますし、彩も栄養バランスも良好ですが、今回は野菜なし。

岩塩を振りかけたら、板のまま焚き火台に置きます。この時、炭は炎が出ないよう鎮火させ、くすぶっている状態にしておきます。

焚き火台に板を載せる
板に載せて焚き火台にセッティング。事前に炭火を鎮火させておく。この写真の状態は火力が強過ぎ。

尚、鹿肉は福岡県と大分県境あたりに生息する鹿の外モモ肉。英彦山系の鹿で、本州よりも一回り大柄な傾向がある個体群のもの。外モモは、モモ肉の中のパーツとしては最も大きく、何にでも使える汎用性の高さがあります。柔らかさで言うと内モモに分がありますが、ボリュームがあってデン!と使用できるお手軽さも魅力。疲労回復成分のバレニンが含まれている点も野営や山越え向きと言えます。

(関連記事:鹿モモはイミダペプチドが豊富)

蓋をして15分くらい待つ

パエリアパンで蓋
パエリアパンで蓋をしているところ。これはキャプテンスタッグの商品。なかなか有能。

プランクBBQは、板を通じた下からの間接熱と、蓋による上からの空気熱で加熱します。蓋つきのバーベキューコンロがあれば便利ですが、なければボールのやアルミホイルなどでも代用できます。今回はキャプテンスタッグのパエリアパンを使用。

と!

プランクに引火
杉の木に引火してしまったところ。水に浸していないとこうなってしまう。もちろん事前の炭火鎮火も重要。

いきなり杉の板が発火、延焼。こうなるので、事前に十分に水に浸しておく必要があるんですね。

一旦炭を調整し、再度加熱。

鹿肉を休ませる
鹿肉を休ませているところ。この間もこもった熱が中心部に浸透する。表面部分は色が変わっているのがわかる。

この間、お肉は空気に晒しておきます。これは「お肉を休ませる」とか「寝かせる」というプロセスで、待っている間に表面の熱がジワジワと内部に浸透していきます。フレンチやイタリアンのシェフはこのプロセスを2、3度繰り返してお肉を柔らかく仕上げていきます。(今回のはただの事故)

火の通りを確認して出来上がり

余熱で寝かせる
火が十分に通ったところ。実際にはまだレアなところがあるので、念のため余熱で寝かせる。

15分くらい経過したら火の通り具合を確認してできあがり。プランクBBQのいいところは、間接熱なので少々過ぎてもOK。セーフゾーンが広く、このアバウト感も野営向きだと言えます。逆に火が十分に通ってなければ、蓋をとってしばらく寝かせるのもいいですね。

燻された鹿肉
結果的に表面がスモーキーに仕上がった。杉による燻し。これはこれで美味。
レアな焼き上がり。もう少し余熱で寝かせた方が安全。

今回は延焼による煙で上側表面がスモーキーに。結果としてはよしとしたいです。岩塩を振りかけ、市販の醤油ステーキをかければ杉板がそのままお皿に早変わり。

感謝。

鹿肉との相性は最良と断言したい

鹿肉でプランクBBQ
鹿肉でプランクBBQ。絵になる上、鹿肉との相性は抜群。

鹿肉は味も栄養価もとても優良な食材です。一方、BBQでその良さを最大限活かすのはなかなか難しいです。直火にさらされるとその部分はすぐに固くパサパサになります。加熱の最適温度は90〜120度くらいだと言えます。つまりオーブンですね。

屋外でこれをやるには蓋つきのダッチオーブンが最適ですが、手軽くコンパクトにやるならプランクBBQは最適です。個人的には鹿肉のための手法だとすら思っています。単にオーブン機能というだけでなく、杉板の香り、場合によっては板をお酒に浸したり、燻製チップを加えてみたりと、野営を満喫できる点においては優等生そのものだと思います。

尚、板は基本的にはなんでもいいのですが、やはり杉の香りが一番いいようです。逆にホームセンターにある合板は接着剤を使っているからNG。加工していない板であってもホームセンターのものだと防腐剤が含まれていることが多いので、できれば木材加工所などから取り寄せた方がいいですね。

そしてここからはステルスマーケティングの領域ですが、Foremaでも扱っています。プランクBBQの板!

https://www.fore-ma.com/product/121

以下、関連記事。

プランクBBQの板

燃えすぎた板。こうなるとあとは燃料として活用するのみ。

板は3回は使えるというのが一般論ですが、今回のように着火してしまうと、あとは燃料として活用できるので、それはそれで良しとしたいです。

次の日に猟師さんに会った

島根県の某所にて。

夜は雨が降り、次の日の午後、ようやく猟師さんに会えました。ここは旧知の方がスタッフとして滞在しているご縁からの会合。山奥でなかなかストイックな価値観を提唱されている、とても興味深い方でした。

弊社の飲食店向けサービス、Forema Proにて、まずは猪のヒレ肉を出荷いただけることとなりました。

この辺りの詳細は、機会があればまた後日。

投稿者:

koizumi

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