これ調べた人、あまりいないのではないでしょうか?冬虫夏草とマイクロバイオーム(腸内細菌)。 以前、書くといっておきながらずっと放置していたので、ようやく書きます。
前回までの流れは下記から。
目次
冬虫夏草を摂取して腸内細菌を調べてみました
人工栽培の冬虫夏草粉末を摂取
私は趣味で、いや事業の一環として、腸内細菌の計測を不定期で行っています。今回のテーマは冬虫夏草です。きっかけは、弊社で販売を開始したペット用の無添加ウェットフード「Forema Nature 鹿 -冬虫夏草」であることは言うまでもありません。
冬虫夏草については下記の記事をご参照ください。
さて、この商品に使用されている冬虫夏草粉末は、Foremaと同じ広島県のメーカー(池田糖化工業)さんが人工栽培に成功したもので、冬虫夏草の人工栽培は世界でも日本の数社だけらしいです。栽培方法が他社さんとは異なっており、品質(コルジセピン含有)のばらつきを解消している点に優位性があります。
冬虫夏草は中国では黄金並の高値で取引されているもので、人工栽培とは言え、当商品もなかなか高額なもの。その粉末を、深夜に一人毎日摂取するというのはとても刺激的、いや緊張するものです。
薬機法(旧薬事法)の絡みであまりはっきりと書けないのですが、摂取した量は、成人の1日の摂取目安と同等の量。あまり多く手元にないため、摂取期間は1週間としました。
冬虫夏草で腸内細菌は変化するのか?

冬虫夏草摂取の間の食事内容は、前の3ヶ月とほぼ同じもの。
- 朝晩玄米
- 昼食はほぼなし
- ほぼ毎食納豆
- サラダ(キャベツorレタス、トマト、オリーブオイル)
- 時々キムチ
- お肉は週に2回くらい
- 主食は焼き野菜/時々代打でキノコ
- 週に半分くらい味噌汁
- 朝晩ヨーグルトと蜂蜜
決してビーガンではないのですが、肉少なめにすると、ある時期から肉を欲しなくなり、玄米などの食物繊維が猛烈に恋しくなってきます。
以前から、「○○が食べたい」という願望は腸内細菌によってコントロールされているという説が存在していたのですが、これは腸内細菌がセロトニンの生産に働きかけているというのが根拠。
かつてセロトニンは脳内で作られているとされていたのですが、今では8割が腸管で作られていることが分かっています。
「宿主」が自分たちに都合の良いものを摂取した時に、特定の細菌たちがセロトニンをドバっと出すよう働きかけるのだそうです。
そして病みつきになる。
お肉ばかり食べている人は「お肉好きの腸内細菌」たちにコントロールされているわけですが、お肉を断つと「奴ら」の勢力が衰え、やがて「お肉以外のもの(例えば玄米)を好む細菌グループ」に逆転されます。主勢力となった彼らが「玄米を摂取した宿主」に対し、報酬としてセロトニンを授与するというメカニズム。
ともあれ、このような食事内容に冬虫夏草を加えた1週間の食生活の後、改めて腸内細菌を計測しました。
結果、ビフォア/アフターで変化はありませんでした。マジか!!
冬虫夏草が腸内細菌とは無関係な理由

作用するプロセスの違い
負け惜しみではないのですが、実は、これはある程度予測していました。ただ記事にしても全然面白くないのでしばらく放置していた次第です..。
良い食べ物が免疫向上に作用するのは、腸内細菌による代謝を経て免疫細胞への働きかけが起こるから。一方、コルジセピン(冬虫夏草が含有する有効成分)が免疫向上に貢献するメカニズムは全く異なります。
「遺伝子の構成成分と競争して細胞のガン化を抑制」
することで、腸内細菌経由では無く、細胞に直接影響を及ぼします。
これは、冬虫夏草の元となるサナギタケが冬眠中のサナギを奇襲して乗っ取るという「侵略プロセスの違い」から来るものだと思われます。
腸内細菌たちは、餌を食べ、代謝物を吐き出し、時に代謝物を化学兵器として使用しながら他の細菌たちとの戦いを繰り広げています。サナギタケは、この戦略の外側で「粛々とやるべきことをやっている」という事なのでしょう。
実は少し悪化した!? 原因は?

実は、今回の計測では前回よりも少し数値が悪くなっています。具体的にはビフィズス菌の微減、腸内多様性の若干の低下、です。
ここには思い当たるフシが多々。
この時期、廃校物流センターオープン前の「町ゴタゴタ」いや、「超ゴタゴタ」があり、非常にストレスフルな毎日だったため。時に睡眠を大幅に削り、時に酒に走り、時に..。結果として幾ばくかの数値悪化につながりました。
今回の教訓で得られたことは、食事も大切だが、酒とストレスのコントロールはさらに重要ということ。
冬虫夏草から得られた学びは大きい。

株式会社Forema(フォレマ) 代表。生態系保全活動の傍ら、自社ラボで犬と猫の腸内細菌/口腔細菌の解析を中心に、自然環境中の微生物叢解析なども含め広く研究を行なっています。土壌細菌育成の一環として有機栽培にも尽力。基本理念は自然崇拝。お肉は週2回くらいまで。

初めまして。
とても面白い取り組みをされていますね!考え方や知識など大変参考になりますm(_ _)m