腸内の微生物群

定説とは違う? Foremaラボで見た乳酸菌の世界

最終更新日:
公開日:2022/02/13

乳酸菌ってなんだろう??

乳酸菌は、エサとして糖を食べ、乳酸に変えて吐き出す細菌たちの総称です。世に溢れる情報の中、多くの方が「どの乳酸菌をとればいいの?」と戸惑っているのではないでしょうか?

実のところ、乳酸菌は単独で1 種だけ摂取しても効果が出ない事が少なくありません。乳酸菌は本来自然界に広く存在しており、そこでは複数の近縁種で群落を形成して生存しています。腸内でも、複数の乳酸菌たちが集って作り上げた王国にまで成長して初めて有益な勢力となります。この時、メーカーのブランド名を気にしすぎる必要はありません。

ストレプトコッカス
前回、犬とビフィズス菌について記載しました。今回はなんとなくビフィズス菌と混同されそうな乳酸菌についてお伝えします。 ※当記事は関連文献および、

「ぬか漬け」と「キムチ」 そして腸内細菌

乳酸菌イメージ

ぬか漬けによる乳酸菌の増加支援

Foremaラボでは、とあるスタッフのが毎日食べている「自家製のぬか漬け」「市販のキムチ」「スタッフの腸内細菌」について、乳酸菌の主力グループでもある「ラクトバチルス属」にフォーカスして細部を追ってみました。

ラボにおけるNGS解析の結果、このスタッフの腸内で最も勢いのあったラクトバチルス属の細菌は、かの有名な「L. カゼイ菌」。さすがですね。

が、このスタッフはこれまでもずっと「L. カゼイ菌」入りの乳酸菌飲料を飲んできた経緯があります。にも関わらず、以前までは「L. カゼイ菌」の検出は微々たるもので、それどころか乳酸菌の保有自体が平均値を大きく下回っていたほどでした。

ここまで多くの「L. カゼイ菌」、そして乳酸菌群が検出されるようになったのは、「ぬか漬け」を食べ始めて以降の話。いくら「L. カゼイ菌」が優れていたとしても、また生きて腸まで届いたとしても、近縁の仲間の支援がなければ無力だったと理解できます。そしてこれは、他の有名乳酸菌でも同じ事が言えます。

ぬか漬け由来の乳酸菌

経口摂取した乳酸菌が生きて腸に届くことは素晴らしいのですが、それは何も大手メーカーの乳酸菌独自の機能ではありません。現に、スタッフから検出されたラクトバチルス属14 種類中、なんと13 種までが「ぬか漬け」由来の乳酸菌という事実。また13 種のうち、7 種はキムチにも含まれていました。(※)

※「市販のキムチ」は細菌種が安定している一方、「自家製のぬか漬け」は様々な細菌種が混在した散らかった組成でした。そして腸内に影響力があったのは「ぬか漬け」の方でした。この差には甘味料や香料といった添加物の有無も影響しているのかもしれません。

「どの乳酸菌がいいの?」

「どの乳酸菌がいいの?」という疑問は多くの方が抱く素朴な疑問。ですがこの疑問は一旦忘れ、複数の乳酸菌グループを、広くまとめて摂取するよう心がけてみてください。乳製品であれば複数の商品。発酵食品であればなるべく良質なもの、できれば手作りのものをローテーションしながら継続することで、やがて腸内に乳酸菌グループの王国が形成され、そうなって初めて腸内での有力な勢力となり得ます。

犬や猫の場合は人間ほど発酵食品の選択肢が多くありませんが、塩分や糖分に気を付けながら色んなものを少量ずつでも継続することで、少しずつ変化が訪れます。

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