2008年から2017年までの犬猫の平均寿命の推移を調べたところ、特に2012年から2015年にかけて平均寿命の伸びには目を見張るものがありました。5年間の上昇率で見ると、人間はせいぜい1~2%であるのに対し、犬は7.1%も上昇しているんです。
人に勝る勢いで平均寿命が伸び、飼い主さんと過ごせる時間が長くなっているシニア犬・老犬(以下シニア犬)。少しでも長生きしてもらいたいですよね。そのために生活の基本である食からシニア犬の長生きを考えていきたいと思います。
目次
シニア犬にとって良い食事
良質な動物性たんぱく質を適量
シニア犬の食事で欠かせないのは、消化吸収のよい良質なたんぱく質です。
犬も人と同じで、年齢を重ねていくにつれ、しだいに筋肉が失われます。筋肉を作るのに必要なアミノ酸を摂取するためにも、できるだけ良質な肉たんぱく質を摂らせてあげましょう。
歯がないシニア犬にとって食べやすい食事
シニア犬に食事を与える際、噛む力や口内の状況にも気を配る必要があります。ドライフードは歯の病気を予防する利点がありますが、歯が弱いシニア犬になると、ドライフードが噛めないために嫌がることも多くなります。
歯がないために食事が噛めないような時は柔らかくて食べやすい、半生タイプのウェットフードもオススメです。
- 内容量:100g
- 種類:ホンシュウジカ / キュウシュウジカ
- 部位:混合
- その他:無添加
シニア犬に気をつけてあげる点
消化、便秘にも注意が必要
消化機能も低下し嘔吐や下痢もしやすくなるので、消化吸収しやすように工夫することも大切です。また、腸の運動も衰えてくるため、便秘になりやすくなります。便秘予防のためにも、適度な食物繊維も加えるようにします。
シニア犬にとって、肥満は大敵
よく食べるからとあげすぎては、肥満や病気の心配が生じます。 おやつやトッピングの類もあげすぎは禁物、ほどほどが肝心です
散歩などの運動を取り入れながら、消化の良い高品質なたんぱく質を適量摂ることが、シニア犬の食事には必要です。
シニア犬が食べてくれない理由はいくつかある
理由その1. 運動量、基礎代謝が低下する
加齢とともに基礎代謝が低下したり、腎臓などの内臓の機能が落ちたり、運動量が少なくなったりするのは、シニア犬も人も一緒です。
本来肉食動物である犬は、人間以上にたんぱく質を必要とします。 筋肉を作るのに必要な必須アミノ酸を、良質な肉たんぱく質からとれるように心がけましょう。
理由その2. 食の嗜好へのこだわりが強くなる
これまでよく食べていたフードなのに、急にシニア犬が食べてくれなくなるケースもあります。 もしかすると嗜好(しこう)が変わったのかもしれません。 加齢とともに、味覚や嗅覚が低下していくことも影響しているでしょう。
いつもとは違ったフードや、手作り食を少量ずつ与えてみましょう。シニア犬の新しい好物を発見できるかもしれません。
理由その3. 食欲そのものが減退する
シニア犬になると、唾液や胃腸の分泌物など消化機能全般の働きも弱くなりますし、腎臓や肝臓などの能力も低下していきます。こうしたことにより、食欲そのものがなくなってしまいます。
手作りご飯に着手してみる
トッピングご飯にチャレンジ
いきなりすべてを手作りご飯にかえるのは、飼い主さんにとってハードルが高くなるだけでなく、シニア犬にとっても負担になってしまう可能性があります。
そこで、同文の前半でオススメした半生タイプのウェットフードや、ドライフードにパラパラっとお好きな量ずつそのまま与えられる大分県の鹿肉をジャーキーのふりかけタイプから始められるのもいいのではないでしょうか。
- 内容量:100g
- 種類:ホンシュウジカ / キュウシュウジカ
- 部位:混合
- その他:無添加
手作りご飯を作ってみましょう!
トッピングご飯が楽しく続けられるようでしたら、いよいよ手作りご飯に挑戦です。
愛犬が1日に必要とする動物性食品(肉・魚・卵)は体重5kgあたり70g~100gというのが目安です。ご飯全体では60~70%を動物性食品とし、30~40%が野菜、穀類は10%以下となるのが望ましいです。
上記の量はあくまでも目安ですし、毎日きっちりと分量を守る必要はありません。
シニア犬との生活は試行錯誤の繰り返しで修行のようなものです。
ヒトの場合「介護5年」とよくいいますが、同様にシニア犬の介護も長丁場の仕事になります。
「上手に手を抜く」ことは「愛情の不足」ではありません。まずは無理なく出来そうなところから着手してみるのはどうでしょうか。
不安に思うことがあったら獣医師へ相談してみましょう。飼い主さんが精神的にも肉体的にも健康であることがシニア犬介護の第一条件です。
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Forema でインターンをしている大学生。猫とカメラが好き。