猪肉を食べたペットが下痢をするという話の真相

2019年06月04日

愛犬に猪を食べさせたら下痢をした!という報告をしばしば耳にします。猪肉は犬にとって有害な食べ物なのでしょうか?その実態について探ります。

猪肉で愛犬がお腹を壊すという疑惑

猪のスジ肉。スネやスジはペット用に活用される事が多い。

「下痢がひどいのでやめた!」

Foremaの運営する「ペットさん定期便」においても、下痢をしたので購入ストップしたい、という事例にしばしば出会います。

特に多いのが猪。

聞けば「喜んで食べたがその晩ひどい下痢をした」という話。となると多くの飼い主は「やはりウチの子には猪は合わない」と感じ、この時点で使用をやめてしまいます。中には「未知のウイルス」を心配する声もあり、結果的に既存のドッグフードに依存するスタイルを強化する事にも繋がってしまったかもしれません。

しかし、猪を食べて下痢をするのは本当なのでしょうか?

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焼肉でお腹がゆるくなるのと同じ

炎が上がっている状態は鹿肉にとっては強すぎる。もう少しおとなしくさせるのが安全。

実際問題、猪でお腹がゆるくなる事例は多くあります。原因としてあげられるのは脂身。猪が市場に出回るのは秋〜年明けくらいまでが最も多く、一年で一番脂が乗っている時期。必然的にペット用にも多くの脂身が含まれることになります。

脂肪には腸管ぜんどう運動(排泄を促す動き)を亢進させる作用があり、食べ過ぎがそのまま下痢に直結します。焼肉を食べ過ぎてお腹がゆるくなるのと同じです。これは犬にも当てはまっているようで、「喜んで食べてその晩下す」という事例の原因になっているようです。

別に猪だからお腹を下すのではなく、脂身を食べ過ぎたから下すという事。これは牛肉でも豚肉でも同じですが、特に人間用に品種改良されていない野生動物はお肉の持つ力が強い(※この意味は食べたら何となく分かる)ため、直に影響が出やすいのかもしれません。

改善策としては、ごく少量から与えて少しずつ慣らすという当たり前の方法しかなく、ここを突破するとヘルシーな猪肉の恩恵に与る事が可能になります。

参考記事:イノシシは美容食

猟犬は猪を食べる

80代後半の現役ハンターと。島根県邑南町にて。いまでは数少ないレジェンドクラスの腕前。

昨今ペット用のお肉としてもっぱら注目をされているのは鹿肉ですが、この頃では猪肉にも静かに注目が集まっています。鹿肉のような赤身ではないのですが、豚肉にはないヘルシーさがあり、イミダペプチドの含有が注目されているほか、先鋭的な愛犬家たちが猪肉の有用性を立証して消費し始めているのが主な背景だと思われます。

Foremaと取引のある猟師さんの中には「猟犬には猪肉が一番いい」と断言している人もいますし、また猟犬の血筋が濃いほど猪肉を好む傾向があるように感じます。具体的には柴犬、甲斐犬、秋田犬、紀州犬..。洋犬の場合はまだよくわからないのですが、大型犬は鹿・猪問わず双方大量消費しています。

ちなみに狼のDNAを最も濃く残しているのが以外にも柴犬らしく、事実「ペットさん定期便」のユーザーさんの中で「猪希望!」とリクエストをいただくのはほぼ柴犬のオーナーさんです。

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柴犬と狼について

Portrait of a wolf in autumn forest, Lithuania

オオカミのDNAを色濃く残す犬

近年のDNA解析技術の進歩は凄まじく、毎年状況が変わっているように思います。
10年くらい前(?)までは狼と犬のDNAの違いはないとされていましたが、3年くらい前には狼と犬が別れたのは2万年くらい前という話を公演で学者から聞きました。が、昨年拝読した資料には、犬は狼から直接別れたものではない、という論も出ており、素人にはよくわかりません。

ともあれ、狼と柴犬にはDNA的な共通項目が最も多く、共通の祖先から枝分かれした直後の最も原始的な状態が柴犬という事のようです。数年後には変わっているかもしれませんがw

ニホンオオカミは日本独自の固有種?

余談ながらニホンオオカミはハイイロオオカミ(タイリクオオカミ)と亜種の間柄ですが、別れたのは日本列島が孤立した10万年くらい前で、数多くあるオオカミの亜種の中でも固有性の高い種だったことが確かめられています。

日本の豊かな気候(言い換えると四季による変動が激しい)だったり地形の独自性(ひたすら急峻)が独自の進化を促しているのだと言えるのでしょう。

鳥取県の智頭町。かつての林業王国は人工林が大半を占めている。

日本の国土は狭いと言われ続けていますが、世界の順位では201カ国中61位で上位3分の1には入っています。また、平面積ではなく実際の表面積(上下の凹凸を伸ばして広げた実際の面積)はとても広いという話を聞いたことがあります。実際のデータが見当たらないのですが、登山をしたことがある人は、この意味が体感でご理解いただけるのではないかと思います。(腸を伸ばすとテニスコートくらい広いという話と同じ)

この高低差の中にも四季があり、同じ県内(直線距離だと50kmくらい)でも桜前線に1ヶ月くらい差があるのが日本。大陸のように広大ではないけれど、数多な環境下で天候やら個体種やら個体数やらが混在してひしめいている。そんな特殊環境で生き延びてきた亜種は、同じ亜種の中でも固有種としての特徴を色濃く残してきたのだと思います。その名残が柴犬なのだと言えるかもしれませんね。

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