民間の小規模アウトドアイベント、野営の人Vol.5に鹿肉を提供し、かつ参加してきました。場所は広島市北部の白木山山頂付近(標高700mくらい)。無舗装の悪路が続く野営度数の高いスポットでした。
今回のポイントは「鹿の骨つきバラ肉」「鹿の内モモ」「鹿のランプ(おしり)」そして「スウェディッシュトーチ」。以下順番に詳細をお知らせします。
目次
スウェーディッシュトーチ
一般的にはスウェーデントーチと呼ばれる事が多いですが、正式名称はスウェディッシュトーチ。アウトドアファンには薪ストーブの名でも知られています。その名の通り、秋冬のアウトドア現場ではストーブとして役立ちますが、それ以外のシーズンでもキャンプファイヤー代わりとして活躍。上部にフライパンなどを置いて加熱もできる上、絵的にもとても優良でロマン度数の高い品です。
今回は山に登る前に、麓近辺で活躍する木こり集団、ブンブンバウムさんのところに立ち寄り、これらを購入してきた次第です。
スウェディッシュトーチの使い方
1.まずは着火
下の方から火をつけます。液状着火剤があれば割れ目に垂らして普通に着火。ない場合は細い端材などを下方に挟んで火をつけます。その他割り箸やおがくず、松ぼっくりをバラしたものやボール紙など、適度に試して最適な(好きな)やり方を見つけてみてください。
写真のような端材があると便利です。建築関係者、木材関係者に知人がいる場合は確保しやすいはず。
2.火を育てる
どうにか端材に火がついてもすぐ消えることが多いです。とは言え、このプロセスがアウトドアの楽しみの一つでもあります。ある程度くすぶり始めたらひたすらウチワであおぐ、もしくは肺活量強化の一環として、あえて呼気を吹き込むというトレーニング方法もあります。(煙吸引には注意)
尚、上の方に着火した場合はロウソクのような見かけでオシャレな雰囲気ですが、この状態は消えやすいです。上から燃やしたい場合は液状着火剤のたらしこみ、もしくはアヒージョなどの余り油があれば便利。
3.後は放置
ある程度火が大きくなってきたらあとは静観するのみ。材質や乾燥度合いによって煙が出やすい場合もあるので風向きにはご注意を。ちなみに写真のトーチは栗の木を10ヶ月乾燥させたもので優良。
一般的に間伐材というと杉か檜ですが、林道を作る際にどうしても伐採しないといけない時など、栗や山桜、松なども間伐対象となります。その意味ではレア。栗の木を切るのはなんだか勿体なさそうですが、桃栗三年という言葉もあるように、成長は早いです。自然の力は偉大。
火が全体に回ってきたら引き続き自由放任で。時間とともに様々な姿で燃え盛り、目を楽しませてくれます。材質によって、また木の乾燥具合によって燃える時間は変わります。また、カットの数が多いほど着火しやすい分、燃え尽きるのも早いです。
以下、燃え尽きるまでの一連の写真をご賞味ください。
底の部分は燃え残るので、実は地面が直に焼けることはない。
そして最後は焚き火に合流。まったりした時間帯へと突入します。
4.調理に使用
スウェディッシュトーチは薪ストーブというだけあり、ダルマストーブと同じような使い方ができます。いきなり昼の写真になりましたが、用途は見ての通りり。
スウェディッシュトーチのご購入は下記Foremaの販売ページから。
鹿の骨つきバラ肉
今回の主役が、鹿の骨つきバラ肉。この商品は飲食店向けの業務用限定ですが、アウトドア需要の市場調査として今回登場した次第です。鹿のバラ肉は猪と違って脂が乗っていません。もともとアスリート体系の動物なので、あばら周りの肉付きはそこまで良くはありません(バラというのはアバラが語源です)。逆にいうとそんなに人気がないので価格も安いです。で、肉質自体は普通で、決して不味いものではありません。
今回はオーソドックスに弱火の網焼きで。岩塩を振り表面をしばらく加熱させた後に一定時間休ませます。このインターバルの際に余熱である程度中まで火が通り、加熱不足を防ぎます。結果として、加熱しすぎで硬くなるのを防ぐという意味合いもあります。
しばらく休ませたら再び加熱。火が通った頃合いを見て切り分けます。骨周りのお肉が一番美味しいという人はそのまましゃぶりついて味わって下さい。
ちなみにこの時は21時頃。本当に至近距離で野生の鹿の群れが鳴いて(吠えて)います。鹿の鳴き声は人間の悲鳴に近く、それらに囲まれて鹿肉を食べるという、ある意味シュールな、しかし生態系の一部として非常にリアリティの高い会場設定だったと言えます。
鹿のランプ
ランプというのはお尻の部分。今回登場したのは以前もご紹介した「毛利の鹿!ジビエBBQセット」の中の一つ。ランプ自体が比較的マイナーな部位ですが、柔らかさとシマッた肉質が同居した味わい深い部位。量は多くは取れないにも関わらず単価は高くないのでお得度も高い良品。ステーキにオススメです。
今回は人数分切り分けのため薄切りの鉄板焼きとなりましたが、適度な一口サイズで高級和牛系の柔らかお肉となりました。これを火を囲んだ屋外で頂く贅沢こそ野営の醍醐味だと断言できます。
鹿肉は加熱しすぎると硬くしなびてしまう性質があります。よって炭の直火だと高熱すぎて鹿肉の良さを逃すリスクが高くなってしまうのですが、鉄板で焼く場合、炭火の直焼きよりも熱が安定するので鹿肉には特にオススメです。
ちなみにこの時の味付けは岩塩とステーキ用醤油(あっさり系)。
毛利の鹿!ジビエBBQセットSサイズはこちらから
https://fore-ma.com/products/111
鹿の内モモ
続いてこちらも「毛利の鹿」の一つ、鹿の内モモです。内モモは読んで字のごとく内側のモモですが、外モモに比べても柔らかく、モモの中では最も人気のあるパーツです。オーブンを使った料理でも大活躍しますがここは標高700mの山中。よってランプ同様鉄板でのステーキとなります。
で、見ての通り明るいですが、これは翌日の朝。スウェディッシュトーチを使って贅沢な加熱を実施しました。これも岩塩のみ。ペッパー系のスパイス調味料と合わせるとなお良しです。
「毛利の鹿!ジビエBBQセットLサイズ」のご購入は下記から。Lサイズセットにはスネ肉も加わります。
https://fore-ma.com/products/112
白木山の鹿について
この野営会場となったのは広島市北部にそびえる白木山。南面は広島市に接していますが、東面は以前当ブログでも紹介したJR芸備線が通っています。JRに接触して一晩に3回も緊急停止させた、あの鹿たちです。人に慣れているせいか、こちらを見ても驚かないようです。
白木山の北面は安芸高田市に向いています。そう、「毛利の鹿」の安芸高田市です。安芸高田市と白木山エリアは隣接しており、鹿の個体群も当然行き来していると思われます。今回の野営では「毛利の鹿(かもしれない一群)」たちに囲まれながら、毛利の鹿を頂くという、本当に野趣あふれるイベントだったと思います。
Foremaは飲食店向けのサービスと同時に一般の方向けの販売にも力を入れています。アウトドア方面への要望にも積極的に対応をしています。何らかのリクエストがある際は、お気軽にお問い合わせください。
株式会社Forema(フォレマ) 代表。生態系保全活動の傍ら、自社ラボで犬と猫の腸内細菌/口腔細菌の解析を中心に、自然環境中の微生物叢解析なども含め広く研究を行なっています。土壌細菌育成の一環として有機栽培にも尽力。基本理念は自然崇拝。お肉は週2回くらいまで。