鹿の角

鹿の角を活用して商品化した話

最終更新日:
公開日:2016/05/20

Foremaでは鹿の角の活用を進めています。

駆除された雄鹿の角はとても立派なもので、昔から猟師さんらの間で需要があったようです。飾りだったり、加工品だったり、また牛鼻輪をつける際の穴あけにも鹿角が活用されるなど、生活の中で活用されてきたといいます。とは言え、現在の鹿の年間駆除数は40万頭前後。一般の狩猟も加えれば、その倍近い数が年間ハンティングされている事になります。

単純計算でその半分が雄鹿であるとし、その半分が成獣であると計算した場合に概ね20万頭。そして左右で計2本なので、年間で概算40万本程度の鹿角が人為的に狩られ、地域によっては需要をまかないきれずに廃棄物となっています。
(鹿角は年に一回生え変わるため、野山にも生息数分の角が散乱しているのだと思われます。)

鹿角は重くて長くて尖っているので、処分にも手間がかかるとの事。それらをなんとか活用できないかと考え、Foremaでは鹿角の商品開発を始めました。

鹿角の噛むおもちゃ

いくつか商品案を絞り込んだ上で、最初は比較的工数の少ない鹿角のドッグガムがリリースに至っています。ドッグガムは、ペットショップなどに売っている「噛むおもちゃ」の事。

これはペットのストレス解消に役立つ他、デンタルケアの効果もあるため、室内飼いが主流になりつつある昨今においてはますます需要が高まるアイテムです。

一般的な噛むおもちゃはゴムっぽい素材だったりプラスチックっぽいコーティングだったりするものもありますが、鹿角ドッグガムは100パーセントの天然素材なので健康面においても安心できます。

※誤嚥を防ぐためにも必ず飼い主が保管し、管理課の元に時間を定めて与えてください

https://fore-ma.com/products/50

鹿角加工の工程について

鹿の角のサンプル
鹿角は、角そのものが入荷した段階では臭いが強いです。都心だと苦情出るレベルです。獣の匂いや土を掘った臭い、木の匂い、そして山間部から間違って混入した蜘蛛の子供まで入っていたりとなかなか素朴でいいです。

全てはこれらの角の山を洗浄することから始まります。洗剤で洗えば楽ですが、それはしません。とあるものを使って汚れと匂いがほぼ除去できます。もちろんたわしでゴシゴシやる工程は不可欠です。

綺麗になった鹿角を数日乾燥させ、弊社取引先の福祉関連の作業所へ持ち込み、そちらで裁断と研磨を行います。その作業所は以前から別件で時々弊社と取引があったのですが、元々木工作品などを手がけていたという事もあり、今回の加工もいい具合に対応して頂いています。ただ、一つ問題がありました。

これは弊社に試作段階でも問題になっていたのですが、電動のノコやカッターを使用して切断すると、凄まじい悪臭が発生するのです。高速回転による摩擦熱で鹿角の成分が溶けるのだと思いますが、カルシウムとタンパク質が焼けて混ざり合ったような、涙が出そうな臭いが発生します。実際に試作段階における裁断者は涙を流しました。

であればどうするべきか。答えは簡単で、手ノコで裁断すればいいのです。時間は多少かかりますが、手ノコであれば悪臭も出ず、大きな音も出ずで、昔ながらの素朴な工程となります。

そうやって裁断された角の断面を、同じく手作業でコツコツヤスリをかけ、大きさを考慮した組み合わせでセットにしてパッケージングを行います。

ドッグガムをくわえているところ
ドッグガムをくわえる中型犬。くわえているのはLサイズのもの。

鹿角のアイテムは見た目も素朴なら、工程も素朴です。天然素材で薬剤も不使用なので、健康面においても安全です。(※)

とは言え、鹿角活用の根本にあるのは害獣問題であり、人間と野生動物の衝突/紛争の結果として仕方なく行われている駆除です。人間の都合による野生動物の駆除は、そのままだと無益な殺生でしかありません。が、駆除された野生動物を何らかの形で活用し経済活動の中に組み込める事で、人間としてのせめてもの役割を果たせるのではないかと思います。

もちろん大元の「衝突」を回避できる方向に持っていけるよう、様々な取り組みが必要です。Foremaでは、企業レベルでできるそうした様々な取り組みに積極的に参加するとともに、広報活動を通じて広くPRしていく予定です。有益な活動ができた際に、それを他の企業が同じように実践して伝播していけば色々と物事が動いてくるのではないかと考えています。

追記) この件については下記の記事でより詳しく説明しています。

鹿角ドッグガム
Foremaで販売している鹿角のドッグガムは、国産の鹿角を使用し、かつ薬剤などは使用していない天然素材のペット用品です。ここでは、このドッグガムがどう

2017.9.12 追記 )

鹿角のオブジェを商品化しました。

鹿の頭部
猟師さんのところに行くと大抵置いてある鹿の頭部の骨。一般的には鹿のトロフィーと言うのだそうです(あまり好きな表現ではありませんが..)。これの品の背景

商品詳細はForema オフィシャルページから。

https://fore-ma.com/products/128

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One thought on “鹿の角を活用して商品化した話”

  1. 洗剤で洗えば楽ですが、それはしません。とあるものを使って汚れと匂いがほぼ除去できます。って、どんな方法でしょうか?
    教えてもらえるのならよろしくお願いします。

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