ダルメシアン,犬の素材

愛犬のお口のトラブルと予防&治療

最終更新日:
公開日:2021/05/21

「口がにおうから、愛犬のお口ケアのために歯みがきを頑張りたい!」

だけど、嫌がって噛んでくるからうまくできない…。という飼い主さんは多いです。

犬の歯みがきを上手に行うためには、子犬のときからのトレーニングが重要ですが、大人になってからでも慣らしていくことは可能です。

この記事では、愛犬の口腔内トラブルの原因や治療法、予防について解説しています。愛犬の口や歯をきれいに保ち、健康的な生活を送らせてあげたい飼い主さんはぜひ読んでみてくださいね。

犬の口のトラブルの原因とは?

犬の口腔内のトラブルには、歯周病や口内炎、歯が折れてしまったり腫瘍がある…などたくさんありますが、その多くを占めるのが「歯周病」です。

人の場合、口のトラブルというと「虫歯」を想像すると思いますが、犬はめったに虫歯にはなりません。

その理由として、

  • 犬の歯は尖っている
  • 唾液にアミラーゼがほとんど含まれていない

といったことがあります。

犬の歯は人と違い、「噛みちぎることに特化した歯」なので鋭利で薄い形をしており、そもそも歯垢が付きにくいです。

また、アミラーゼはでんぷんを糖に分解する消化酵素なのですが、犬の唾液にはそれがほとんど含まれていないため、虫歯のエサとなる糖が少なくなります。

ただ、犬の口の中のpHは8~9と弱アルカリ性であるため、歯石が付きやすいといったことがあり、「歯周病」という歯を支える部分に炎症が起きてしまうことが多いです(人:pH6~7の弱酸性)。

3歳以上の犬のおよそ8割が歯周病予備軍であるともいわれています。

歯周病になると、単純に歯がボロボロになるだけでなく、歯を支える組織も破壊されてひどい場合には、顎の骨が溶けてしまうこともあります。

また、歯周病菌が血液によって運ばれてしまうことで、腎臓や肝臓など全身に様々な炎症を引き起こしてしまいます。

歯垢は3日で歯石に変わる

犬の場合、歯垢は3日で歯石に変わります。

人の場合は、歯垢が歯石に変わるのに15日程度かかるので、犬がすごいスピードで歯石に変わるのが分かりますよね。

ただ、3日かかると言うことは、逆を言えば3日以内に歯垢を除去すればよいということなので、毎日歯みがきをする必要はないと言うことにもなります。

毎日の歯みがきは犬にとってストレスとなることが多いので、3日に1回でも大丈夫というのは嬉しいですね。

また、歯みがき後にごほうびとしておやつをあげても、この理由から全く問題ありません。

口のトラブルの治療法

愛犬の口腔内トラブルを治療するには、基本的には全身麻酔が必要です。

なぜなら、処置に時間がたくさんかかることと、麻酔をかけずに口の奥まで精査することは不可能だからです。

以下で、動物病院における犬の口腔内処置の流れについて解説していきます。

犬の口腔内処置の流れ(一例)

麻酔がかけられる状態なのか、血液検査や一般状態などの検査を行います。

また、歯や骨の状態をあらかじめレントゲン撮影にて確認しておきます。

その後、麻酔をかけて、「挿管(そうかん)」といって気管のなかに管を入れる処置を行います。

歯石除去鉗子や超音波スケーラーなどで歯の表面の歯石を除去したあと、歯肉の下も同様に処置を行います。

歯肉ポケットの炎症なども専用の器具できれいに除去します。

これだけだと、歯の表面に凹凸ができ、再び歯垢・歯石が付きやすくなってしまうため、研磨によって歯の表面を平らに整えます。

その後、必要に応じて薬剤を注入して終了となります。

ぐらついた歯や歯根が腐っているような歯は同時に抜歯を行います。

処置は日帰りでできることもありますが、抜歯の本数が多い場合や高齢で点滴が必要な場合などは1泊2日で入院することもあります。

以上のように、犬の口腔内トラブルの治療は、たくさん時間がかかり処置がとても大変です。

そのため、なかには無麻酔で簡単に歯石除去をしている動物病院もありますが、見た目がきれいになる一方で、歯周ポケット内は汚れたままとなり、あまり意味がある処置とは言えません。

美容目的で行う場合はいいかもしれませんが、あらかじめ先生とよく確認・相談をしておくといいですね。

ただ、麻酔をかけてしっかり治療をした場合でも、次でお伝えする「歯みがきによる予防」を行わなければ全く意味がありません。

以下で歯みがきのコツも解説しているので、ぜひ実践してみてください。

しっかり歯みがきをして予防しよう

愛犬のお口トラブルには、日々の歯みがきがとっても重要です。

子犬のときから口の周りに触ることに慣れさせておくことが、歯みがきを成功させるポイントです。

口周りを触ると嫌がる子は多いので、触ったらほめておやつをあげるというようにして、嫌がる前にごほうびをあげて慣らしていきましょう。

大人の犬の場合も基本的な流れは同じです。

ただ、成犬の場合は、口周りを触ると噛んできたり威嚇する子も多いので、時間がかかるかもしれませんが無理なく行うようにしましょう。

口周りを触ることに慣れたら、口の中に物を入れることに慣らすために、指を入れてみましょう。

この場合も、嫌がる前にやめて、ほめておやつをあげることを忘れずに。

それも嫌がらないようになったら歯みがきシートなどを指に巻いて、入れてみるようにしましょう。

この際、歯みがきシートの誤食の事故はとても多いので、食べられないように注意して行ってください。

最後に歯ブラシに変えて、口の中を磨いてみましょう。

上でもお伝えした通り、1日で全部の歯を磨ききる必要はないので、3日かけて磨きおわるようにしましょう。

また、少量なら血が出てしまっても大丈夫なので、ある程度しっかりみがいてあげることも大切です。

難しい場合には歯みがきガムでも可

どうしてもうまく磨けず、嫌がってしまう子は多いです。

その場合は、歯みがきガムを噛ませてあげて対応するといいかもしれません。

なるべくなら人が持って噛ませてあげる方が、様々な角度でかじることができるのでいいと思われます。

また、あまりにも硬く大きいものの場合は犬の歯が折れてしまうこともあるので、ゴムのように弾力があるものがいいですね。

【まとめ】お口のトラブルと予防&治療

愛犬の口腔内のトラブルで最も多いのは歯周病です。

歯周病は日々の歯ブラシを使ったケアが非常に重要です。

3日に1回の歯ブラシをしてあげるだけで大丈夫ですので、少しずつ練習して慣らすようにしてあげましょう。

どうしても難しい場合は、犬用のガムを人が持って噛ませてあげるようにしましょう。

歯が悪いと、食事がつまらなくなるだけでなく、様々な病気の発症や増悪を引き起こしてしまいます。

早速今日から歯みがきの練習をしてみましょう!

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