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猫は猪を食べても大丈夫? だれも教えてくれない猫と猪の話

最終更新日:
公開日:2020/08/25

猫の感じている味はどうなっているのでしょう?私たちが美味しいと感じるものを、猫も同じように美味しいと感じているのでしょうか?「愛猫と鹿肉」では栄養面から検証しましたので、今度は味覚・嗅覚の面から探っていきます。

猫の味覚

猫の味覚
猫の味覚

人間の舌は甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の5種類を感じることができます。では猫にも私たちと同じような味覚が備わっているのでしょうか?

味覚は舌の表面にある味蕾(みらい)という部分で感じ取っています。味蕾細胞は人間では約10,000個、猫は約500個。味蕾細胞が多いほど繊細な味覚を持っていると言われていますので、猫の味覚は人間ほどには味が分からないということになります。

豆知識:
大久野島のウサギ
大久野島のウサギ

ちなみに草食動物であるウサギは約17,000個もの味蕾細胞があります。実はとてもグルメなんですね。

猫が感じることができるのは酸味・塩味・苦味・うま味の4種類と言われています。

<酸味>

猫は酸味を強く感じます。腐っているかどうかを判別するために酸味を感じるようです。大好きなお肉にも酸味は含まれますので、酸味があると美味しいと感じることもあるようです。これは肉に含まれるリン酸やカルボン酸などに対する反応で、猫にとっては旨味に感じられることも多いようです。フードによっては酸っぱい匂いがするのもこの為なのですね。

<苦味>

苦味も酸味と同様に強く感じます。体に有害な成分が含まれている場合には苦みを持つものが多くあります。これは腐った肉に含まれる特定のアミノ酸を判別し、体に有害な食べ物を避けるため本能的に感じているようです。苦い薬を飲んでくれないのも、薬を混ぜたフードを二度と食べてくれないのも本能からくるものなんですね。

<塩味>

塩味は感じることができますが、酸味や苦味に比べるとずいぶん鈍感なようです。肉食の猫は、肉さえ食べていれば獲物の血液中に存在する塩分が十分に補給できることを知っていて、あえて塩味に敏感になる必要がなかったようです。

<うま味>

うま味を感じるかどうかは諸説あります。特定のアミノ酸をうま味と感じている可能性はありますが、本当のところは猫に聞いてみないと分からないですね。

<甘味>

甘味は感じません。猫は甘味を感じないほぼ唯一の哺乳類だそうです。ただし肉や魚のタンパク質が分解されて生じたアミノ酸由来の「甘味」は大好物です。猫は甘いものを舐めたがったり、欲しがったりすることがよくありますが、糖分ではなく、そこに含まれているタンパク質や脂肪をおいしいと感じていると言われています。

ここまで猫の味覚についてご紹介しました。猫の味覚は美味しいものかどうかを判断するよりも、食べ物が腐っていないかどうか、食べてもいいものかどうかを判断するものなんですね。

猫の味覚はグルメだとも鈍感だとも言われていますが、それは人間から見ての味覚に対する評価であって、猫本来の食生活に合わせて進化したものといえます。

では、猫は何を基準に食べる食べないを判断しているのでしょう?
猫が食事を選ぶ時に最も重要なのは、実は嗅覚と言われています。

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猫の嗅覚

毛糸で遊ぶ猫
毛糸で遊ぶ猫

人間の数十万倍!?

猫にとっては嗅覚は命の次に大事な感覚の1つといわれています。猫のにおいを嗅ぎ分ける能力は人間の数万倍から数十万倍とされており、空気中を漂うにおい分子の濃度が数万分の1になっても嗅ぎ取れます。においを嗅ぐ力は、鼻腔の奥にある嗅上皮という粘膜の広さと、そこに存在する嗅細胞の数によって左右されます。嗅細胞の数は、人間は1,000万個であるのに対し、猫は約6,500万個と言われています。嗅細胞の数が多いほど嗅ぎ分けるにおいは何万倍にもなるんですね。

人間が感じないにおいでも、猫ははっきりと感じているんですね。食べ物を選ぶ際にも、嗅覚はとても重要な感覚となっています。もともと視力のあまり良くない猫にとって、嗅覚は聴覚と同様にとても大切な感覚です。食べ物が腐っていないか、縄張りに侵入者がいないか、危険なものはないかなど生活に関わる多くの情報を嗅覚から得ているからです。

においが食欲を左右する

食事において、味よりもにおいのほうが重要な猫は、何かしらの理由でにおいが分からなくなると食欲が無くなってしまうことさえあります。もし病気などでにおいが分からず食べてくれなくなった時は要注意です。食べ物を食べないと体力も低下してしまいますし病気も治りにくくなりますので、温めたりにおいが強めのトッピングをしたりして食べ物だと分かってもらう工夫をする必要があります。

余談ですが、家の中でアロマを焚いていたり、猫と一緒にアロマテラピーをしたいと考える人もいるかもしれませんが、猫は精油成分に対する代謝が上手く行えない為、急性中毒を起こしたり、肝不全を起こす可能性があります。また、嗅覚が鈍り麻痺してしまうということも考えられますので注意しましょう。

キャットフードもにおいは重要

キャットフードには色々な味がありますね。もちろんその味は感じられますし好き嫌いもあるでしょう。お魚味が好きな子もいれば、お肉味が好きな子もいます。しかし、猫にとってはまずはにおいが重要のようです。猫は目の前に初めて見る食べ物を置かれると、それを口にする前にさんざんにおいを嗅ぎます。におい嗅ぐことで食べられるものなのか、腐っていないかなどのチェックをします。食べ物であっても、においがしないものは口にしようとしません。

しばらく置いてあったドライフードはにおいが飛んでしまうのか口をつけなくなることも多いです。ペットフードには多くの場合、ドライタイプとウェットタイプがありますが、猫は圧倒的にウェットタイプを好む子が多いようです。その理由は、やはりにおいにあります。ウェットフードは香りが強いので、猫も美味しそうだと感じるようです。においの成分の多くは脂溶性で、脂肪との関連が深く、味の好みに強く影響します。ネコはお肉に含まれる動物性脂肪を好むようです。

「無添加」という表現は、主語がないので、とても曖昧な表現ではあるのですが、 俗に言われている「無添加」とは「化学調味料 / 保存料  無添加」と

このように、猫が感じる美味しい食事とは味覚だけで判断するのではなく、においや、温度、噛み応えなど、総合的に判断されているようです。特ににおいは重要で、猫の食が細い時などは食事を温めて香りを強くすると食べてくれるようになることでしょう。ただ、冷たい食事を好む猫もいますので、愛猫に合った温度を探してみて下さい。

豆知識:
「猫舌」という言葉がありますが、猫は舌で温度を感じているのではなく、鼻で感じているようです。猫に限らずどの肉食動物でも、獲物の体温以上の物を食べることはない為、熱い食べ物は苦手です。つまりどの動物も「猫舌」と言えますね。食事はある程度冷ましてから与えるようにして下さいね。
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猫に猪肉を与えても良いか?

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猫は肉食なので鹿肉と同様、猪肉ももちろん食べられます。味は豚肉と似ているので、豚肉を好きな猫は好んで食べてくれるでしょう。猪肉は季節や捕獲された地域によっては野性味の強いお肉になります。人間からするとにおいがきついと感じる場合もありますが、嗅覚で美味しさを判断している猫には、むしろにおいが強いお肉の方を好む傾向にあります。

猪肉は栄養価が高く、鉄分やビタミンB群が豊富に含まれています。脂が多いイメージに思われがちですが、実は牛肉や豚肉よりもカロリーは低め。その脂肪はとても良質なので皮膚・被毛の健康維持に役立ちます。人間では猪の脂を使った化粧品も出ているほど。コラーゲンがたっぷり含まれていてお肌もプルプルになるので、女性には嬉しいですね。

においの強いお肉は嗅覚で反応し、脂の味は味覚で感じますので、この条件だけ見ると猪肉はまさに猫にピッタリの食材です。しかし、人間にも好みがあるようにどの子も同じように同じ物を美味しいと感じるわけではないので、まずは食べるかどうか試してみるのがいいですね。

猪肉が猫に良い理由

  • 良質の脂肪で毛艶が良くなる
  • 鉄分が豊富なので貧血の予防になる
  • 疲労回復効果のあるアミノ酸を多く含んでいる

猪肉は生で食べてもいいの?

ライオン
ネコ科の代表 ライオン..

猪肉は豚肉と似ていますので、生食を躊躇する人も多いかと思います。また、野生動物なので細菌や寄生虫のリスクもゼロではありません。生肉を与えることでしか得られない酵素は存在しますので、生肉を与えている飼い主さんはいらっしゃいますが、まずは火を通して与えることをおすすめします。

関連記事:完全無添加! ペット用(犬/猫)の鹿肉を販売しています

おわりに

猫が鹿肉を食べてもいい!? 愛猫と鹿肉について語ります」では栄養面から、「猫は猪を食べても大丈夫? だれも教えてくれない猫と猪の話」では味覚と嗅覚の面から、猫の食について見てきました。

ドライフードや、ウェットフード、手作り食など、猫の食生活は昔と比べると格段に向上し寿命も延びています。年を取ると病気に罹りやすくなり、食事も変わってきます。
愛猫の健康を守れるのは飼い主であるあなたしかいません。

肉食の猫に必要な栄養のある食事、食べることの喜び、そして飼い主との良好な関係を築き、幸せな猫生を過ごさせてあげて下さいね。

https://blog.fore-ma.com/6297/

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