Forema selectのラインナップとして4月に登場し、多くの問い合わせをいただいていた「猪皮のドッグガム 」について、先日試食しましたのでご報告します。
目次
猪皮のドッグガム 商品概要
害獣として駆除された猪を食肉として処理した後に残った皮。これを湯引きし、乾燥処理させたものをドッグガム として活用した商品です。ドッグガム は、いわゆる「噛むおもちゃ」としてペットショップに売られているもので、牛皮を使ったホワイトガム(米国産)という名前が一般的かもしれません。
ただ、製造の過程であまりよくないものが混ぜられているという話はしばしば耳にするもの。また牛肉アレルギーのワンコは牛皮は使いたくない、でも豚皮は中国産しか売っていない..そんな背景から登場したのが猪皮のドッグガム です。
https://fore-ma.com/products/181
猪皮のドッグガムを人間として試食
試食準備:まずはカット
猪の皮はとても硬いです。ほとんどベニヤ板ですが、乾燥処理してできあがった当商品は強化プラスチックとしか表現できないような強靭さがあります。1枚だと大きいので、端っこの1cm x 2cm くらいをキッチンバサミでカットします。
→できませんでした。
仕方がないのでアウトドア用のサバイバルナイフで少しずつゴシゴシやってカットしました。実際には手入れしたキッチンバサミであればなんとかなるようにも思います。あとはカニバサミでしょうか。
試食開始:噛んでみる
実際に噛んでみて感じたのは、やはり強化プラスチックです。ただし皮の風味がほんのり感じられるため、無機質な不快感はなく、ただただ硬いことに驚きです。とはいえ、鹿角や骨のような硬質さはなく、わずかに弾力の余韻が感じられ、噛み続けていくと柔らかくなるのではないかという淡い期待が生じます。
5分ほど噛み進める
少しずつ馴染んで来たように感じられます。硬さは変わりません。噛むのが上手になって来て効率よく噛み進められるようになります。やがて雑念が除去されて無心に噛み続けるようになり、わんこであればこのまま集中していくのだと思います。もう後には戻れません。
この時点で、今まで全力で噛むことに臆病になっていた事、そして噛む事自体が下手になっていたという現実に気づきます。
そのまま30分くらい噛み続ける
この時は商品撮影をしながらの試食だったため、気が付けば30分くらい噛み続けていました。実際にはもう少し時間が経っていたかもしれません。だいぶ柔らかくなって来て、皮を噛んでいる実感が湧いてきたのがこの頃。
この時に感じたのが、噛み続ける事で物凄く力と意欲が湧いて来たという事。チューインガムではなく「とても噛みにくい何か」をひたすら咀嚼(そしゃく)していくというプロセスは、捕食対象を噛み砕いてい吸収していくという重要な行為=自然界を生きていく必須スキルなのだと粗めて感じました。
噛み続けて50分後くらい
その後、皮は柔らかくなり、通常のチューインガムのようになったのが50分後くらい。ただ、人間の場合は臼歯があるのでうまく噛みつぶせましたが、犬歯だけだとより長く楽しめるようです(犬種サイズにもよる)。
大型犬でも小型犬でも、切り分けるサイズで調整できるので飼い主産が適宜調整してください。
食べられなくなったら死ぬ
自然界では、老化や病気で食べられなくなった時が寿命です。人間界では食べられなくなった後も「胃ろう」で栄養を注入するため、寿命以上に生き続けることが可能になり、詳細は割愛しますが様々な問題が浮上しています。
逆に、胃ろうから経口食に戻した途端に体調や機能が大きく改善したという事例は介護現場や小児医療の現場でも多くあり、つまり食べること(=噛むこと)はすなわち生きること。噛むことで生命力が湧き上がってくるのは気のせいではなく、当然の帰結だと言っても過言ではなさそうです。
その意味ではドッグガムは療養食だと評することもできそうですね。
猪皮の現状について
食肉として使用された後に残された皮の活用は、野生鳥獣処理現場でずっと以前から議論されていたもので、鹿皮については毛皮での活用や、レザーとしての活用の取り組みが早くから行われて来ました。
一方の猪はなめし加工が難しく、熟練の職人産がやったとしてもベニヤ板にしかならず、まともに毛皮やレザーに仕上げられる職人産は国内にほとんど残っていないとされています。
そんな中でもごく一部の敏腕職人がレザーや毛皮に仕上げ、商品化に成功した事もあるようですが、鹿・猪ともにレザー/毛皮商品の需要は極めて薄く、かつどうしても高額になってしまうため市場原理によって徹底的に淘汰されているのが実情と言えます。
そんな中、毛皮でもレザーでもない活用方法として登場したのが当ドッグガム 。先日幕張で開催されたペット博でも来場者から「初めて見た!」のコメントを連発させた期待の逸品です。お買い上げのユーザーさんからの評価も上々で、今後ゴリゴリと普及させていく予定です。
株式会社Forema(フォレマ) 代表。生態系保全活動の傍ら、自社ラボで犬と猫の腸内細菌/口腔細菌の解析を中心に、自然環境中の微生物叢解析なども含め広く研究を行なっています。土壌細菌育成の一環として有機栽培にも尽力。基本理念は自然崇拝。お肉は週2回くらいまで。