深層水のエコな活用事例

海洋深層水を飲料水として活用するアメリカの事例がとてもエコロジーだったのでご紹介します。

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モントレー By druchoyFlickr, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=431244

これはアメリカのカリフォルニア州で官民一体で計画されているもので、2018年に開始予定との事。モントレー湾の沖合の海底3000mから湧き出す冷たい海水を、ポンプでくみ上げて真水に変えるというものですが、その過程でサーバーの放出熱冷却に使われたり、CO2回収のプロセスがあったりと、とても画期的なものです。具体的な流れは以下。

  1. 海底から湧き出す非常に冷たい水をポンプで汲み上げる
  2. 汲み上げた冷水を使ってデータセンターのサーバー群を冷やし、電気による冷却エネルギーを半減させる。
  3. サーバーを冷ます過程でくみ上げた水の温度が上昇し、真水へのろ過のプロセス/エネルギーがある程度省ける。
  4. 海水を真水(飲料水)に変える処理で発生したカルシウムと発電所から排出されたCO2を使って石灰石を生産(CO2の固形化)、建材として使用可能になる。
  5. 濾過の結果残された濃い塩水はポンプを使って深海の谷に戻され、安全に拡散させる。

わざわざ深海の谷から海水をくみ上げるのは、海の表層の生物群や海底の無脊椎動物への影響を極力避けるためだそうです。

モントレーの海岸
CC 表示-継承 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=602859

化石燃料が問題なのは、本来地中にあった炭素がどんどん放出され、従来の大気バランスが崩れる為。埋蔵炭素が放出される事で地表の炭素量そのものが増えているため、いくら樹木が吸収したとしても根本の解決には至りません。一方でCO2の固形化は炭素の封じ込めなので、現時点では焼け石に水であっても、根本治療に直結する方向性だと感じます。

今世紀後半は真水不足が深刻化すると予想されており、飲料水や農業用水などの安全な確保が大きな課題となっています(民族紛争の多くの原因は、元をたどれば水)。

そんな中で始まった当取り組みは、単に真水確保だけでなく、その過程での自然界への負荷を可能な限り軽減させようとする点に価値があると思います。従来、必要なものを確保しようとすると必ずどこかにしわ寄せが行き、結果的に次の問題が発生して新たな解決策を迫られてきたのが近代の経済活動でしたが、そうはならない持続可能な枠組みづくりへの意欲が感じられて希望が持てます。

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