新型コロナウイルス、SARS,MERS、デング熱など、感染症の流行は忘れた頃にやってきては私達を苦しめます。
いつどこで発生するか分からない、それが感染症の恐ろしい所で、事前に防ぐことが難しい理由です。
防げないとなるとどうすれば病原体に勝てるのか、もし罹ったとしてもどうすれば軽症でいられるのか。
かつてウイルスに負ける個体と、影響を受けない個体の違いはDNAの違いだと考えられていました。
しかし、ゲノム解析が進んだ結果、DNAでは「なりやすい、なりにくい」程度の違いしかないことが判明しました。
現在の先端医療では、人体および動物達の細胞の数よりも遥かに多く存在する体内の細菌が影響しているということが解明されつつあり、細菌の中でも腸内細菌の活動が宿主の肥満やアレルギー、ガンや精神状態にまで幅広く影響を及ぼしていていることが分かってきました。ヒトの腸内にいる細菌は700種類~1000種類とも言われ、100兆個以上の細菌が棲みついています。
その働きによって善玉菌(有益な働きをする)・悪玉菌(有害な働きをする)・日和見菌(善玉菌にも悪玉菌にもなりうるどっちつかずな菌)の3種類に分けることができ、それぞれが拮抗しながら共存しています。これらたくさんの細菌をまとめて腸内細菌叢=腸内フローラ(マイクロバイオーム)と言います。
腸内細菌の活動は免疫力を左右します。免疫が活性化すると、さまざまなウイルスや病原体が体内に侵入してきても体外に排泄してくれる働きをします。
人も動物も、腸内環境を一定のバランス(善玉菌が悪玉菌より優勢な状態)を保つことによって健康を維持しています。しかし、腸内フローラの状態はその時の生活習慣、年齢、ストレスなどでも影響を受け変化します。
そして毎日摂る食事内容が最も大きくダイレクトに影響を受けるのです。日々の食事によって腸内フローラが構成されているといっても過言ではないでしょう。
人も動物も、身体に良いものを食べ、腸内フローラのバランスを保ち、免疫を上げ、ウイルスに負けない健康な身体を作っていきましょう。
動物の腸内フローラについては、私たち人間ほど研究が進んでいませんが健康に影響を及ぼすのは間違いなく、これからどんどん明らかになっていくでしょう。このテーマにForemaも取り組み微力ながら貢献できればと思います。
ワンちゃんネコちゃんに健康な毎日を。食の面からサポートさせていただきます。動物保護・生態系保全などあらゆる角度から野生動物を取り巻く環境について勉強中。
保有資格:愛玩動物飼養管理士一級、動物看護士