猪肉についてよくある質問をまとめました。
Q.猪肉って美味しいの?
A.美味しいです。外見からは想像しがたいのですが、コラーゲンが実に豊富で、さらに鹿肉同様に、高タンパク・低カロリー・低脂肪の三拍子が揃った優良食材です。
Q.そもそも猪とは?
A.猪は豚の先祖です。大昔の人(ヨーロッパでは8,000年くらい前)が猪を捕まえて家畜化したのが豚。すなわち『飼い慣らされる前の豚』が猪という事になります。我々が普段口にしている豚肉は、人間の口に合うように長期間改良されてきたものですが、猪肉はそういったプロセスを経ていないため、『野生のままの肉』と言えます。
猪の寿命はだいたい10年前後。胴長短足ながら驚くべき身体能力があり、時速45kmで疾走するとも言われています。基本的に草食で、木の芽、タケノコ、山菜類、時々ミミズなど、で肉体を維持しています。山の生き物ながら、どういうわけか泳ぎもできます。瀬戸内海では『海から来る』とも言われるくらいで、頻繁に泳いで「向こうの島」に渡っています。領海警備などで忙しい海上保安庁も平和な瀬戸内海でしばしば猪に遭遇しており、それでも「繁殖の為だろう」という事でそっと見守っているとの事です。
Q.猪肉の特徴は?
A.先述のとおり、コラーゲンが豊富です。鹿肉同様に、高タンパク・低カロリー・低脂肪の三拍子が揃った上、脂肪分には必須アミノ酸が含まれています。
味の分類は、基本的には豚肉と同類ですが、食感としてはかなり歯ごたえがあります。煮ると柔らかくなる性質がある為、鍋物に向いています。かつては『山くじら(※)』と呼ばれていましたが、これは仏教が肉食を禁じていたから。たんぱく源確保の為、また療養の為に猪は例外的に食を許されており、その理由として「猪は魚の仲間だから」というとんでもない理屈が創造されたようです。時代小説などで怪我をした主人公に振舞われるのが大抵『いのしし鍋』なのは、こういった背景があったのでしょう。
(※)単に食感が鯨に似ているからという説も有り
Q.調理方法は?
A.煮ると柔らかくなるので鍋物がおすすめですが、それ以外にも特に男性の方にはシンプルに焼肉がおすすめできます。歯ごたえや食感かなり力強く、好きな人は大好きになれるかも知れません。具体的な調理事例についてはForemaのレシピコーナーをご参照ください。
Q.どこで獲れる?
A.猪は全国の山林に生息しますが、北国にはほとんど生息しません(北限は宮城〜現在北上中)。よって大まかながら、北国では鹿の勢力が、九州などでは猪の勢力が強い傾向があります。
株式会社Forema(フォレマ) 代表。生態系保全活動の傍ら、自社ラボで犬と猫の腸内細菌/口腔細菌の解析を中心に、自然環境中の微生物叢解析なども含め広く研究を行なっています。土壌細菌育成の一環として有機栽培にも尽力。基本理念は自然崇拝。お肉は週2回くらいまで。