鹿角ドッグガム

鹿角のドッグガムができるまで

最終更新日:
公開日:2016/06/30

Foremaで販売している鹿角のドッグガムは、国産の鹿角を使用し、かつ薬剤などは使用していない天然素材のペット用品です。ここでは、このドッグガムがどういったプロセスを経て商品になるのかをご紹介したいと思います。

鹿角ドッグガム制作工程

工程1.山間部にて

鳥取県山間部
鹿や猪の対策に力を入れている鳥取県の某所。冬は横殴りに吹雪くエリア。

現在、国内山間部では鹿猪による農作物被害が深刻化しています。増えすぎた鹿への対策として、全国の山間部では猟友会による駆除が行われていますが、それでも個体数は増え続けている実情があります。

従来、駆除された野生動物の多くは土に埋めて処分されていましたが、この頃ではジビエとして道の駅や一部飲食店で活用する動きが定着してきました。ただ、角と皮については有効活用への取り組みが遅々として進んでいない現状があります。そうした背景から、Foremaではこれまで捨てられる事も多かった(※)鹿の角を、猟師さんに一定数確保のお願いをし、山間部から10キロ単位で仕入れています。

※鹿角は漢方や装飾品とし使われる事もあり、地域によっては重宝されているようです

工程2. 鹿角の洗浄

山間部から届いた鹿角
山間部から届いた鹿角。この写真は泥を落として洗浄した後のもの。

山間部から直送されてくる鹿の角は泥だらけでとても汚れています。そして獣臭が強いです。これを洗浄する事から商品化への道が始まります。

洗浄というと聞こえが良いですが、要は手洗いです。タワシでゴシゴシ磨きます。磨いただけでは臭いは落ちないため、桶やタライにお湯を貯め、これに重曹をたっぷり入れ、一晩漬け込みます。重曹は料理にも使える安全なものなので、洗浄や脱臭にとても重宝します。

尚、この洗浄・脱臭の工程において、クエン酸と重曹を双方試しましたが、現時点で重曹に軍配が上がっています。

※2020年度以降、生産者さん側の意識も変わり、入荷時の汚れが大幅に軽減されているため、重曹による脱臭/洗浄は行なっていません

工程3.乾燥

日光で乾燥中の鹿角
日光で乾燥中の鹿角。カビを防ぐためにも直射日光には当てたい。

重曹に一晩漬け込んだ鹿角を水揚げし、乾燥させます。陰干し後、日光浴ですが、この辺りに特に厳密は決まりは設けていません。この時点でまだ多少の臭いは残っています。ファブリーズを振り掛ければ臭いはきれいになくなると思いますが、

『犬の口に入るものにファブリーズはまずかろう…』

というのが弊社の価値観です。よって多少の臭いを残したままで数日間風通しの良いところに置いておくわけですが、3日もすると臭いは半減します。

積み上げられた鹿角
積み上げられた鹿角。強度は高い。

臭いが薄れた頃を見計らい、次の工程へと進みます。

工程4. 裁断

聴覚障害のある人たちが働く作業所
聴覚障害のある人たちが働く作業所。広島市南区。

弊社が委託している、広島市内の障害者作業施設へ鹿角を運搬します。ここは聴覚障害のある方が働いているところで、普段は木工品の制作や加工、牡蠣養殖用のホタテ貝殻加工、衣類の縫製なども行っているとろで、手先がとても器用な人たちが働いています。

木工作業中
当作業所では木工作品など、細かい作業のものを多く手掛ける。
穴あけ後のホタテ貝殻
広島名産の牡蠣用のホタテ貝殻。大量の穴あけ作業も当作業所が請け負う。

この作業所で指定したサイズに合わせて鹿角を裁断します。サイズ指定といっても角ごとにサイズも太さも異なり、規格通りにはいきません。よって、例えばSサイズなら100〜120mmくらい、でも95になってもOK、というようなかなり幅を持たせた発注にしています。Sサイズは2本セットなので、一方が短めの場合、もう一方で長めのものを組み合わせる事で商品としてのバランスを取ります。

長さを測って切断
指定した範囲内の長さで切断。枝分かれした部分の扱いが難しい。
万力で固定
サイズが大きいく万力での固定を試みるが、角のカーブ大きいため万力使用での固定は難しい。

この裁断作業は、電動ノコだと数秒の作業ですが、手ノコを使っています。これは手作業を大切にしているというイメージ戦略ではなく、もっと切実な理由があります。それは臭いです。電動での高速摩擦によって鹿角が過熱されると、わずか数秒であっても凄まじい悪臭が発生します。本当に涙が出て気分が悪くなるくらいひどい臭いが立ちこめ、作業所全体の業務に支障が出るほどです。

よって定規で測りながら昔ながらの手ノコで裁断していきます。

工程5. 研磨

裁断後の鹿角
裁断後の鹿角。先端の部分は後日別商品へと生まれ変わる。

裁断が終わると研磨に入ります。これも裁断と同じ理由で手作業によって行われます。研磨用のヤスリは木工用と鉄鋼用がありますが、木工用だと鹿角の方が勝ってしまいます。よって鉄鋼用の固いヤスリでゴシゴシとカドを落としていきます。

鹿角研磨中
手作業によるヤスリ研磨で断面のカドを落としていく。この工程を経ると丸がでて温かみのある仕上がりになる。
研磨中
これは木工用のヤスリ。この後、鉄鋼用のヤスリに交換し、作業効率が高まった。

この両過程において、どの長さでカットするか、どれくらい研磨するかという判断は、『見てみてどうか?』『持ってみてどうか?』というきわめて人間的な判断基準で行っていきます。全般地味な作業ですが、規格至上主義の工場大量生産品にはない、とてもアナログな風合いはこういったプロセスから生まれます。

尚、長さや形状の関係でドッグガムに採用されなかった断片は、別の商品へと生まれ変わるべく、現在微速開発中です。

工程6. パッケージング

foremaロゴ入りの麻袋
foremaロゴ入りの麻袋。背景に写っているのは昭和中期に製造された分厚い碁盤。特に商品とは関係ない。

横文字にするとかっこいいですが、要は袋詰めです。Foremaロゴの入った麻袋にドッグガムを入れるだけですが、ここでは麻袋と鹿角の見た目の相性の良さに小さな感激があります。Lサイズのドッグガムの場合、麻袋から頭が出てしまうのですが、絵的には面白くて逆にオシャレなので今の所それで良しとしています。(パッケージは随時変更となる可能性もあります)

鹿角ドッグガム Sサイズ
鹿角ドッグガム Sサイズ

こうした工程を経て、鹿角のドッグガムは商品化されています。大量生産品だと、もっと安くて見栄えの良いものが他にたくさんあるかもしれませんが、そうではない商品、そうではない価値観を体現することにこの商品の『味』があるように思えます。

弊社は大枠で言えばIT業界に分類されますが、効率化の中にあえて非効率な隙間を入れ込む『人間味』を大切にしています。

鹿角ドッグガムの使い方と注意事項

ドッグガムを加える中型犬。
ドッグガムをくわえる中型犬。これはLサイズ

与えっぱなしは厳禁

鹿角ドッグガムは必ず飼い主が管理し、与えっぱなしにはしないでください。与える時は監視下において遊ばせ、終わったら必ず別の場所へ保管してください。与えっぱなしは誤嚥の原因となります。

好き嫌いがあります

全ての犬が反応するわけではありません。中には全く興味を示さな場合もあります。犬種による差ではなく、個体による嗜好性の差のようです。傾向としては、若い犬ほど喜び、アクティブな性格の子ほど熱中しています。また、2,3分で飽きる子もいる一方、足で押さえつけ、ずっと離さない子もいます。

お買い求めは下記からお願いします。
https://www.fore-ma.com/

この記事を読んだ人にオススメしたい商品

愛犬、愛猫の腸内フローラ検査
ここまで分かる! 愛犬 愛猫の腸内細菌解析

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です